夫婦ボートレーサー泣き笑い 力良&裕子の交換日記

【黄金井力良の巻】ボートファンなら「進入固定戦」をご存じと思いますが、今年1月から「原則として3対3を守る」「スロー発進3艇は150メートル見通し線より前で起こさないといけない」など、指導事項が少し変更されました。そこで今回は選手やファンの視点から進入固定戦のメリットとデメリットについて考えたいと思います。

 まずは進入固定の説明ですが、通常のレースではルールの範囲内ならどのコースからスタートしても問題はなく、コース取りはいわば“自由競争”。しかしこの進入固定は1号艇から6号艇までが割り当てられた枠番通りのコースに進入することが義務付けられているんです。

 舟券を推理する際に最も基本になるのがコース、つまり進入想定。普段から前づけにいく選手や外コースに出る選手はだいたい想定できますが、準優・優勝戦への勝負駆けや、本番でピット離れに失敗して急きょ巻き返しにいくときなどは進入が乱れ、舟券にも影響が出てしまいますね。

 そういう点で絶対にコースが決まっている進入固定戦はお客さんにしたら買いやすいかもしれません。逆に中には「進入が想定できないからこそ面白い」というファンもいるでしょうし、受け止め方は様々ですが選手にとっても良い面と悪い面があるのです。

 まず良い面は「スタート」です。自分のレースで前づけ選手がいる場合などは、事前のスタート練習で限られた本数の中でいろいろな場所から起こしてタイミングをつかまなくてはなりません。

 また風が強いときなどは完全に勘をつかめずに本番に向かうときもあります。

 でも進入固定はすべて同じ場所からスタートの練習ができるのでタイミングがつかみやすい。なのでレースではスタートがバラけずにスリットが揃いやすいので自然と内側が有利になるイメージです。ペラ調整も起こし位置が分かっているので回転を合わせやすいメリットもありますね。

 このように進入固定は良いこと尽くし…と言いたいところですが悪い面もあります。よく言われるのが「2マークが荒れる」です。普段とは違いコース争いがないので「なるべく浅い(1Mに遠い)位置から起こしたい」という選手心理が働き、ゆっくりとコースに入ります。

 そのため待機行動中の自分の位置感覚がつかみづらく、実際の起こし位置までレバーを噴かして入っていくので自然と波が立つんです。今回の変更で、起こし位置は「スロー発進艇は150メートル見通し線より前」となったので、なおさら2マーク付近に波が残ります。
 選手間でも「進入固定の2マーク」は気をつけろ!が基本ですね。

 最近は「進入固定バトル」など全レース固定戦で行われる企画シリーズもあるので、舟券を買うときは“荒れる2マーク”を頭に入れて予想するのも面白いかもしれませんね。

 たとえ僕が1周2マークで転覆しても怒らないでくださいね(笑い)。

☆こがねい・りきら=1986年3月4日生まれの29歳。埼玉支部の100期。2007年5月の戸田でデビュー。10年4月の江戸川で初優出も優勝は未経験。16年前期適用勝率は5.47(A2級)。昨年の獲得賞金額は1189万2000円。身長173センチ。血液型=A。

 <次回は妻・中西裕子が執筆=2月18日掲載>