【まるがめGⅠレディースチャンピオン:カウントダウンコラム(3)】ボートレースまるがめプレミアムGI「第29回レディースチャンピオン」開幕まであと3日――。3回目は平山智加(30=香川)。一昨年末のクイーンズクライマックスに続く“女王2冠”を狙う地元エースは「目指すはもちろん優勝」と高らかにV宣言。そこにはSG、GⅠ戦線を主戦場とする女子第一人者のプライドも見え隠れする。

 女子艇界の一大勢力を誇る四国勢にあって、平山の名が歴代覇者として刻まれていないのは意外な気もする。これまで4回の優出のうち1号艇が3回もあっただけに、なおさら“未冠の不思議”が浮き彫りになる。

「プレッシャーに負けたり、これまではいろいろありましたから」

 ちょっぴり恥ずかしそうにこう苦笑するのもV戦1号艇の“呪縛”から解放されたから。一昨年のボートレース芦屋「第2回クイーンズクライマックス」ではトップスタートからイン圧勝。「女子GⅠのV戦1号艇で勝てない」トラウマを払拭したからだ。

 とはいえ今年は始動が遅れ、2月半ばの尼崎から実戦復帰。それでも焦りもなければ気負いもない。「あまり数を走っていないしいいレースができているかといえば、そう言い切れないけど、そんなことを言っても仕方ない。とにかくやるだけ」と前向きでいる。

 近況は記念戦線が続き結果が出ていないが戦ってきたステージが違う。SGでも「モーターさえ出れば、そこそこやれる」と自信を深めているだけに、ここ一番で他の主力勢との“臨戦過程”の違いが出るはずだ。

 しかも今回の舞台はホームプールまるがめ。地元で行われる大一番は15年ぶり。当然、目の色を変え「開催が決まった時から出るだけでなく優勝することを目標に…。まずはその第一歩として、ドリーム戦に乗ることを思って頑張ってきた」と今大会にかける思いは人一倍熱く、誰よりもその思いは強い。

「まるがめは結果も出ているし、一番好きなレース場。気持ちの面でも他の場とは絶対に違う。もちろん周囲からのプレッシャーはキツイかもしれないけど、それも期待の裏返し。課題は山積みだけど、こんな時こそ結果が出ればいいきっかけになるし、今後につながると思う。目指すはもちろん優勝! 地元の選手が優勝しないと盛り上がらないですからね」

 準備万端、気合もパンパン。勝利へのイメージはすでに出来上がっている。あとは――やるだけだ。

☆ひらやま・ちか=1985年7月13日生まれ。香川県出身。2006年のまるがめでデビュー。同節の4走目で初白星を飾る。13年の尼崎60周年記念では男女混合戦でGⅠ制覇の快挙を成し遂げ、一躍脚光を浴びた。同年暮れの芦屋「第2回クイーンズクライマックス」を制しているが「レディースチャンピオン」のタイトルはまだない。昨年の三国では優出(3)着。98期同期は松田祐季、松本晶恵ら。夫は福田雅一(69期)。身長157センチ、体重47キロ。血液型=O。

 ※次回(8月3日)掲載はまるがめ水面・エンジン他データ特集