夫婦ボートレーサー泣き笑い 力良&裕子の交換日記

【黄金井力良の巻】舟券を買うファンにとっても、レーサーにとっても「エンジン(モーター)」は最も重要なファクターの一つ。前検日(初日の前日)に行うエンジン抽選で「誰がどのエンジンを引いたか?」は予想する上で切っても切り離せない情報ですね。

 しかし、今回はあまり話題に上らないけど意外と重要な「ボート(舟)」の話をしたいと思います。

 ボートの抽選は前検日にエンジン抽選と一緒に行われます。ほとんどの人はエンジン抽選の結果ばかりに目がいくと思いますが、実は選手の中にはボートの過去の成績(勝率、複勝率)を気にする人は多いです。なぜなら悪いエンジンは性能向上のために選手自身が本体を分解して部品を交換できますが、ボートは破損したとき以外は手を加えられません。抽選で素性の悪いボートに当たったら、選手はなす術がないのです。

 ボートはカウル(艇番、選手名が記された部分)以外はすべて木製なので、レース中の接触で穴が開いたり、破損することがあります。その場合はレース場の職員でもあるボート修理係の出番! ボート内部は木製の骨組みなので、一度穴が開くと骨組みから修理しなくてはいけません。1日に2回走る場合の前半レースで壊れると、次のレースまでに間に合わせないといけないので大変! 緊急時に迅速な対応をしてくれるボート修理さんの手際の良さは、本当に感心します。まさにプロフェッショナル!です。

 ちなみに修理不可能なほど破損した場合は、抽選で改めてボートが割り当てられます。

 この「ボート交換」の情報はレース場内でもファンに発表されるので、ぜひ参考にしてください。というのも、交換されたボートはまだ水を含んでいないため、当然他のボートに比べて軽い。確証はないですが、ボート交換した途端に直線で伸びたり、足が良くなったという話を実際に聞いたことがあります。

 予想のヒントになるかもしれませんね。

 ボートはエンジン同様に1年間使用された後に新艇(新品のボート)に切り替わります。

 それまでは破損のたびに修理を重ねて使われるので、何度も修理されたボート、一度も接触事故がなく修理の手が入っていないボート…と自然に“個体差”が生じてきます。その見極めが舟券を買う上で重要! ボートの勝率や複勝率、前節に転覆しているか?などの事故情報もチェックしてみてはどうでしょう。

 それはそうと、ボートが破損する接触事故は大変危険です。

 ペンキと木のにおいが漂うボート修理の部屋の前を通るたびに「修理を増やすレースをしないように…」と、気を引き締めてレースに臨む日々です。

☆こがねい・りきら=1986年3月4日生まれ。埼玉支部の100期。2007年5月の戸田でデビュー。10年4月の江戸川で初優出。優勝は未経験。15年後期は勝率5.38(A2級)。14年の獲得賞金額1660万2000円。身長173センチ。血液型=A。

<次回は妻・中西裕子が執筆=6月4日掲載>