【下関GⅠ競帝王決定戦:周辺のグルメ情報】勝っても負けても、激闘の後には癒やしの時が必要だ。「オラレ下関」(8月にオープンした場外舟券発売場=JR下関駅から徒歩4分)から徒歩エリアの歓楽街・豊前田の片隅にある居酒屋「照」で、明日への英気を養おう。

 大将の斉藤照知さんは、なんと谷村一哉と高校の同級生。しかも、キャリア15年以上のボートレースファンでもある。ガッポリ稼いだ後の自慢話も、ビッグな配当を取り逃したグチも、境遇を分かり合える“同志”がカウンター越しにいるとなれば、いつも以上に舌が滑らかになりそう(ただし、大将が多忙の時は、ほどほどに…)。

 当然だが、大将はボートだけでなく料理も本格派。“オトナの麦茶”で喉の渇きを潤しながら待つこと数分、刺し身の盛り合わせがドドンと目の前に現れた。近くには唐戸市場があるにもかかわらず「ウチは、北浦の底引き網漁船から魚を直接、仕入れてますからね」というこだわりようだ。大将の説明を聞き流しながら一心不乱にパクついていると、ん? 何やら見かけない刺し身がある。聞いてみると「クジラですよ」と大将がニヤリ。下関といえばフグが真っ先に思い浮かぶが、もともとは捕鯨基地として有名な土地柄。古くは大洋漁業の本社もあり、戦後の下関の復興は鯨とともに歩んできたといっても過言ではない。

赤むつも手頃な値段で食べられる
赤むつも手頃な値段で食べられる

 そんなウンチクはさておき、食べてみると、なかなかどうして、想像以上の美味。刺し身はもちろん、ベーコンも柔らかな歯ごたえで、脂っぽくて塩辛いイメージもアッサリと覆された。塩皮は、見た目よりも食感がサクっとしているし、臭みがないのにしっかりした味が舌に残る。これはクセになりそう。

 続いて運ばれてきたのは、今やテニスプレーヤー・錦織圭の大好物としても有名な高級魚・赤むつ(ノドグロ)ではないか! 甘辛く煮付けられた白身を口に運ぶと、モッチリとした舌触り。うまみ成分がジンワリと染み出してきて、思わず白飯が欲しくなる。

瓦そばは締めのラーメン代わりとしてもイケる
瓦そばは締めのラーメン代わりとしてもイケる

 締めのラーメン代わりには、下関の郷土料理・瓦そばをご堪能あれ。パリパリに焼いた茶そばが、甘いつゆと織りなすハーモニーは満腹のおなかにもスルスルと入っていくほど爽やかだ。

 深夜まで営業しているので、ナイター終わりでもゆっくり酒席が繰り広げられるのは左党にも大助かり。あとは、勝利の美酒に酔いしれるか、ヤケ酒になるかはアナタ次第だ。

☆居酒屋「照(てる)」=下関市豊前田町1-1-13 南栄ビル1F(TEL083-235-2828)
※営業時間は午後6時から午前3時まで(ラストオーダー午前2時)。定休日は月曜。