【若松SGボートレースメモリアル:カウントダウンコラム(1)】26日に開幕するSG「第60回ボートレースメモリアル(モーターボート記念)」。本紙恒例の直前企画は“目指すはSG初戴冠”と題しSG戦初優勝を狙う選手を紹介する。その1回目は次代の愛知支部を担う逸材として期待され続けたイケメン岩瀬裕亮(26)だ。

 デビュー前から大物新人として話題を呼び、初戦で1番人気に推されたほど。あれから4年。ようやく最高峰の舞台に駒を進め、真の“デビュー戦”を迎える。「Fや事故でいろいろ回り道もしたし、ここまできたのが決して早いとは思いませんね。今はとにかく楽しみでしかない」と心躍らせている。

 昨年5月、オールスターの開催告知キャンペーンで名古屋市内のスポーツバーをともに巡った。ほろ酔い気分の雑談の中で突然、真顔でこう聞かれたことがある。

「どうやったら僕もSGに出られますかね。一番早く出るにはどうしたらいいですか」

 原田幸哉一門で、物事を理詰めで考えるよりは、自らの感性を重視して勝負するタイプ。下手な打算を働かせるようなことはできないだけに、SGの出場資格など、全く頭の中に入ってなかったのだ。数字の面では安定感がまだなかっただけに、一番早いのは「選ばれること」。翌年のオールスターでSGデビューを目指すことで話はまとまった。

 残念ながらその時期は今年春から夏へ、少しずれ込むことになったが、意に介すようなことはない。

「SGと言ってもメンバー的には記念とそんなに変わらないと思うし、不安はないですね。どこまで自分の力が通用するか。やれるだけのことをやるしかない。それに今後もこんな機会は増えてくるだろうし、先を見据えた気持ちを持って臨みたい」

 愛知支部には例年、4つの出場枠がある。最近はやや固定化され、新興勢力の台頭がなかっただけに、蒲郡代表としての期待を肌で感じ取っている。

「自分の実力だけでSGに出たいと思っていた時もあったけど、こうやって選ばれることもすごく重要なことだと感じてます。だからこそ今回だけでなく、今後、選ばれ続けるようになるのも大切だな、と。そのためにはしっかり結果を残して、いいレースをお見せするしかないですね」

 コーナーのスピード戦には絶対の自信を持っている。1Mで決め切れなくても、道中の猛烈な追い上げで大逆転劇を演じることができる数少ない選手だ。
 遅れてきた大物が真夏のナイター決戦でいよいよ姿を現す。

☆いわせ・ゆうすけ=1988年6月11日生まれ。2010年5月蒲郡でデビュー。初優勝の絶好機を何度か逃し、13年の児島で待望の初Vを飾った。今年3月のとこなめ周年記念でGⅠ初優出5着)。106期の同期には森野正弘、今井美亜らがいる。身長162センチ。血液型=A。