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オルフェ〝再犯〟の可能性は?


【4冠馬オルフェーヴルの羅針盤(1)】JRA古馬最強決定戦、第145回天皇賞(春)が29日に京都競馬場(芝外3200メートル)を舞台に行われる。主役はご存じ、4冠馬オルフェーヴル。今春のテーマは「タイトルを上積みし、秋の海外遠征へ備える」だったが、ご存じの通りステップGⅡ阪神大賞典で逸走→2着敗退というサプライズ走…。「きちんとゴールまで走れるか」という課題も背負ってしまった。調教再審査合格(11日)で〝書類上〟はクリアされたが、果たして実戦では本当に大丈夫? まずは動物行動学の見地から〝再犯〟がないのか、検証する。

 助言を求めたのは、このジャンルに詳しい北里大学獣医学部・動物資源科学科(十和田キャンパス)の松浦晶央(あきひろ)氏。動物行動学研究室で人と動物関係学や応用動物行動学などの講師を務める農学博士だ。

 オルフェーヴルの一連の戦歴を確認すると…「なるほど。もしかしたらレース後ジョッキーを振り落とすという行為が、阪神大賞典の逸走と直結しているのかもしれません」と解説を始めた。

 オルフェーヴルは新馬戦、菊花賞とゴール入線後にラチに激突、騎乗者・池添を振り落とした。特に後者は華やかな3冠達成の瞬間。〝やんちゃだな〟とほほ笑ましく見守ったファンも多いだろう。人間サイドから言えば悪癖といえども、ゴール後ならセーフ。だが、当事者である動物(オルフェーヴル)の目線から考えた場合はどうか?
「例えば乗用馬が人間の意に反した行動をしたとします。その場合は、それをやめさせる調教を続けて、もう一度やってみようという発想を消し去ります。一方、注目すべきはオルフェーヴルが2度もその行為を行っていること。人を落とすことは競馬が終わることと同義、という連想が出来上がっていた可能性が大きい」

 阪神大賞典の問題の逸走シーンは、向正面=すなわち直線コースが舞台で、先頭に立って騎手が手綱を引いている状態。要はいつものゴール直後と類似した環境だ。これを「レースが終わった」と勘違いしたオルフェーヴルが、〝終了の儀式〟を思い出し、騎手を振り落とす行為をするため(外)ラチに向かったのでは?というのだ。

 松浦氏の推論は続く。「馬は集団の先頭に立つとかなりストレスを受けることが分かっています。交感神経の働きが高まって緊張状態に入るんですね。交感神経は自律神経で自分の意思では調節できないので、何とか逃れたいと予想外の行動に出てもおかしくはありません」

 このストレスに慣れている逃げ馬ならまだしも、差し馬オルフェーヴルにとって道中先頭という状態は初体験だった。「というわけで、環境の異なる状況下での調教再審査(栗東トレセンで実施)は安心材料とはならないでしょう」(松浦氏)。観客はいない、騒音もない、周りに馬もいない状況での審査合格をうのみにはできないというのが動物行動学上の見解だ。

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