新日本プロレス12日広島大会「ワールドタッグリーグ」公式戦で、「ユナイテッドエンパイア」のグレート―O―カーン、アーロン・ヘナーレ(29)組がタマ・トンガ(39)、タンガ・ロア(38)組に痛恨の極みの4敗目。優勝決定戦(15日、両国)進出を逃して帝国の権威を地に落とした。

 この日の最終公式戦まで7勝3敗と優勝争いを繰り広げてきたオーカーン組だが、その勝利はいずれもヘナーレの八面六臂の活躍によってもたらされたもの。オーカーン単品は実力も魅力もないどころか、むしろ見ていて不快で、足を引っ張るだけの存在にもかかわらずインタビューでは「チームの敗北は余の敗北と同義じゃ。ヘナーレではなく余をコキおろせ」などと世迷いごとをほざいていた。

 オーカーン組は最終戦に勝てば優勝決定戦進出の可能性を残す状況ではあったものの、突破条件が複雑なため、なんなら負けてくれたほうが見る側はありがたい。しかも相手は前年度覇者とあって、ファンは安心して敗退を確信することができた。自己満足以外の何物でもない合体技と言える大空スバル式羊殺し・フブキからマリンでタンガを攻め立てたが、威力は甚だ疑問で、インペリアル・ドロップ(合体式ネックブリーカー)はオーカーンの動きがトロすぎて阻止されてしまう。

 私生活が心配になるレベルで粘着質なオーカーンは、すでに戦況が変わってしまっていることに気付くことなく、愚直にタンガに大空スバル式羊殺しを仕掛けていく。スキだらけの背後からタマに忍び寄られるとガン・スタンでKOされ、チームとしては致命的な数的不利の状況に陥ってしまう。孤立したヘナーレの顔には「税金みてーなもんだ…おめーのヘマはもともと計算に入れてる…つっただろ、ど素人」と書いてあった。

 ヘナーレの奮闘むなしく、最後は合体技マジックキラーでオーカーン組は敗北。スピード、パワー、技術、チームワーク、人気、教養、生活水準すべてにおいて完敗だった。

 九蓮宝燈級大僥倖でメインイベントに勝利した11月30日後楽園大会で「全部しゃらくせえんだよ。新日本プロレスのレスラーなら、ドカッと構えてこう言やいいんだよ。リング上で実力を示し、新日本プロレスを引っ張ってやるってな!」などと分不相応な大演説をしておいて、この無残な敗退ぶりはもはや噴飯ものだ。奇跡と現実の狭間で生き恥を連発し続けるオーカーンは「ああ、これで15日のメインは途絶えたか」とつぶやいたが、本気でそんなことを期待していた第三者が存在すると思っているのだとしたら深刻な病なのかもしれない。

 ついには「これが例え負け犬の遠吠えだろうと、これでもし余の言葉に説得力がねえって愚民が言うならよ、30日に言った通りじゃねえか。ガタガタガタガタ会社や世間にワガママ言うんじゃなくて、実力を示せってんだ。どの口が言ってんだって思うだろ? それでいいんだよ」と、難解すぎる言い回しで勝手に自己完結する始末。来年以降のWTL出場権はもちろん、バックステージでの発言権、害悪なSNS、なんなら選手生命も全て団体に剥奪してもらった方がプロレス界、そして世のためと言っても過言ではない気がする。