新日本プロレス13日仙台大会「G1クライマックス」Aブロック公式戦で、グレート―O―カーンがIWGP世界ヘビー級王者・鷹木信悟(38)に言語道断の大惨敗。文字通り竜頭蛇尾の5連敗で全公式戦を終了し、同時にレスラー生命も終了の危機に陥った。

 ずうずうしくも最高峰リーグ戦に乗り込んできてしまった井の中の蛙は、開幕から4連勝後の4連敗であっさり貯金を吐き出し優勝決定戦(21日、日本武道館)進出の可能性が消滅した。もっとも4勝と言っても内訳は内藤哲也の負傷欠場に伴う不戦勝とダブル役満級大僥倖ばかりの3勝なので、事実上は全敗同然。しかも最終公式戦は現王者・鷹木とあって、いよいよ老若男女に嫌われ続けたオーカーンも年貢の納め時との見方が圧倒的多数であった。

 ところがここでまたもオーカーンにロイヤルストレートフラッシュ級幸運が舞い込む。前戦で鷹木が脇腹を負傷し、テーピング姿で現れたのだ。オーカーンの公私にわたる卑しさは、このたび発表された「都道府県魅力度ランキング」で群馬県を昨年の40位から44位に下落させた元凶と一部でささやかれている。背後に回ってのベアハッグや、鷹木の脇腹をコーナーやトップロープに叩きつけるという、相手の負傷に付け込むスポーツマンシップのかけらもない攻撃は、オーカーンが見た目も中身も醜悪であることを改めて証明していた。

 火事場泥棒的猛攻を続けるオーカーンは、誰も望んでいない新型「大空スバル式羊殺しホロバージョン」まで初披露。自身がファンだからと言って感情を先走らせ、相手方のイメージダウンなどお構いなしに人気Vtuverの知名度に便乗しまくる意地汚い根性は、もう一生治ることはないと思われる。

 しかしそこまでして勝てないのだから、もはや悲劇だ。バカの一つ覚えのエリミネーターはとっくに見切られているのに、何度も試みる学習能力のなさはもう哀れすぎて見ていられない。回避され背後に回られると、ドラゴンスープレックスからスライディング式エルボー、さらにはパンピングボンバーと、鷹木の波状攻撃の前に成す術もなし。ラスト・オブ・ザ・ドラゴンで問答無用の3カウントを奪われた。技術、体力、精神力、ハツラツさ、男気、経済力すべてにおいて完敗だった。

 試合後は「分かり切っとるわ、ボケ。レスラーはリング上がすべてだ。余がリング外でやってること、そんなもん全部オマケだ。知ってる。だが余はたとえオマケだろうと手は抜かん主義じゃ。新日本プロレスを、グレート―O―カーンを知らん愚民に、1人でも多くの愚民に知らせるためだ」と、予防線を張りながらもまるでリング外の活動を評価してもらいたそうな口ぶり。いわゆる「構ってちゃん」という人種なのだろうが、この風貌でその性格はちょっと受け入れがたい。

 とっくに馬脚を現しているにもかかわらず最後まで格好だけはつけたいのか「それができるのは余だけだ。だから好きでもねえプロレスに命張ってんだろ! そして、本当に言いたいことは、このG1のリングの上で言い切った。まあ、負け犬の遠吠えだ、今はな…」と、鳥肌不可避のコメントを残しオーカーンのG1は幕を閉じた。実力者相手に予想以上の好勝負を展開した一面もあるにはあったが、プロレスが好きでもないなら別にいつ辞めてもらっても構わないというのが団体側の本音だろう。来年1月の契約更改で戦力外通告を言い渡される可能性が浮上したと言っても過言ではない気がする。