新日本プロレス17日後楽園ホール大会で「ユナイテッドエンパイア」のグレート―O―カーンが本間朋晃(44)から歴史的圧勝を収め、東京五輪金メダリスト級の感動と勇気を帝国民に与えた。

 当初は大会出場予定がなかったオーカーンだが、15日にIWGP世界ヘビー級王者・鷹木信悟とBUSHIの2選手に発熱症状が見られているため複数選手が試合を欠場。これを受けたカードの変更により、緊急の単騎出撃となった。

 このような団体の窮地を救うのにオーカーン以上の適任者はいない。常在戦場の精神を体現する支配者はまさに武道家の鏡。急きょ組まれた試合だとしてもそのコンディションは他者の追随を許さず、付け入るスキがまったく見当たらない。本間のこけしなど是非もなし。モンゴリアンチョップに一本背負いに王統流二段蹴りと、変幻自在な攻めで圧倒的優位を築く。

 さらにこけしロケットをキャッチしたオーカーンは、アニメ化作品を手掛けたしぐれういを母に持ち、一大野球ゲームイベントを仕切る舞元啓介を近所のおじさんに持つ大空スバルから認められた「大空スバル式羊殺し」で捕獲する。大空家全員に認知され、ユーチューブ合計登録者数約200万人に知れ渡っていると言っても過言ではなく、大空警察も緊急出動待ったなしの殺人技に本間は悶絶。最後は問答無用のエリミネーターで処してみせた。

 14日(日本時間15日)の米国・ロサンゼルス大会では首の負傷により長期欠場中だったウィル・オスプレイが復帰宣言を果たし、ユナイテッドエンパイアは復権へ本格的に再始動したように見える。オーカーンは「我々連合帝国は、チームやユニットじゃない。しょせん〝個〟の集まり。個人ならではの思惑がある。それを同盟という形で支援するだけ。ゆえにオスプレイが米国でなにをしようが、余は構わん」と断言。

「世界中を帝国が、いや連合帝国の支配者である余が、〝ニュー・コモンウェルス・キングピン〟の余が、全世界を支配する。これは序章だ。余についてこい、愚民ども」と崇高な御神託を並べ立てた。

 ともあれスクランブル出撃でのシングルマッチ圧勝は、オーカーンの卓越した実力を改めて証明した格好。もはや「G1クライマックス」(9月18日、大阪で開幕)の優勝候補最右翼と言っても過言ではないような気がする。