新日本プロレスの23日・大田区総合体育館大会で「ユナイテッド・エンパイア(UE)」のグレート―O―カーンが、遺恨深まる天山広吉(49)の復帰戦でぶざますぎる姿をさらし、帝国の権威をおとしめた。

 オーカーンは6日東京ドームシティホール大会の試合後に掟破りのTTDで天山の首を破壊して欠場に追い込んでいた。この日の大会ではウィル・オスプレイ(27)と組んで天山、小島聡(50)組と対戦。怒りの猛牛が降臨することは容易に想像できただろうに、いとも簡単に奇襲を許してしまうあたり、危険察知能力が完全に欠落しているとしか思えない。

 さらにエリミネーター(アイアンクロースラム)を回避されたオーカーンは、天山とモンゴリアンチョップ合戦を展開するが、悲しいかな猿まねのモンゴリアンでは打ち負けてしまうのも自明の理。アナコンダバイスからアナコンダバスターを浴びて窮地に陥った。

 UEはビー・プレストリー(24)が介入して天山のムーンサルトプレスを妨害。ここまでお膳立てさせておいて、オーカーンはイス攻撃をオスプレイに誤爆してしまう愚鈍ぶりでチームの足を引っ張る始末だ。天山にイスを奪われ、メッタ打ちにされる姿は弱々しくて見ていられなかった。試合結果こそ反則勝ちとなったが、ヤングライオン以外の相手からの初勝利がこんな形とはあまりにも情けなく、事実上は切腹ものの大惨敗と言っても過言ではない気がする。

 オーカーンは試合後のリング上でなおも暴行を浴び続け、オスプレイまでもが小島の首折り弾を浴びてグロッギーに。これもまさに因果応報と呼ぶにふさわしい光景で、同情の余地などどこにもなかった。

 コメントブースに倒れ込んだオーカーンは錯乱したのか「天山!」とだけ叫んで控室へ逃走。今シリーズはたまたま好調が続き天山の不在をいいことに「内藤哲也でも用意しろ」などとのたまって余裕ぶっていたが、身の程知らずもここまでくると哀れだ。30日愛知県体育館大会で控える天山とのシングルマッチも、棄権したほうが身のためかもしれない。