新日本プロレスのIWGPヘビー級&インターコンチネンタル2冠王者の内藤哲也(38)が所信表明だ。21年ぶりの開催で注目を集めた29日の東京・明治神宮野球場大会で怨敵EVILを撃破。ベルト奪還に成功し神宮決戦を大団円に導いた制御不能男の野望は果てしない。一夜明けて本紙の取材に応じ、新型コロナウイルス感染拡大の影響を発端に復活した「夏の野外決戦」の今後について緊急提言した。

 ベルト奪還に成功した内藤への一夜明け取材は、感染症対策として飲食店での対面取材が自粛中という状況から、ビデオ通話によるインタビューで実現。前夜のメインを張った制御不能男は、BUSHI(37)がオーナーを務める「丸武商店」の唐揚げを食べながら東京・足立区内の公園で草野球を観戦していた。

「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(LIJ)」の“大合唱マイク”で21年ぶりの神宮球場大会は幕を閉じた。大会後は夜空に花火も上がったが「俺も見たかったのに、リングサイドのカメラマンが『内藤さーん! こっち!』って…。花火バックの撮影が一段落した時には、もう花火も終わってましたよ」と愚痴り、いきなり余韻を台無しにした。

 とはいえ、有意義な経験だったことは確かで「新しい可能性は感じましたよ。こういうビッグマッチもありなんだと思いました」と手応えをアピール。さらに「コロナだから(観客数の上限)5000人でやりましたで終わらせてほしくはないですよね。神宮にこだわらなくても、例えば来年以降、横浜や、千葉、仙台でやりますかという話になってもいい。本来ならなかったものをせっかくやったので、中途半端で終わりにはしてほしくない」と訴えた。

 今年は9月19日にエディオンアリーナ大阪で開幕を迎える秋開催ながら、新日本では真夏の祭典として「G1クライマックス」が浸透している。だが内藤は、復活した「野外ビッグマッチ」も夏の恒例行事として定着させたいという。

 コロナ禍は出口が見えず、新日本も出場選手の発熱で13日の愛媛・宇和島大会を中止した。「正しい判断だったと思うけど、頻繁に来られる会場でもない。心が痛かったし、申し訳ない気持ちでいっぱいでした」。そんな中で神宮球場大会復活は、数少ない明るいニュースの一つだ。「もし超満員の野外会場で大合唱できる日が来たら、その時こそコロナが終わったって本当に実感できるかもしれない」と野外ビッグマッチ継続を希望する理由を説明した。

 一方でリング上では2冠王者としてG1に向かうことが確実だ。「メンバーを想像することさえ難しい状況。例年通り19大会でやりますけど『グレードワン』ですから。出場選手のハードルを下げるのだけはやめてほしい」と注文をつけることも忘れなかった。

 言いたいことを言い終えると「東スポさんもファミレスに来られなくて我慢の日々が続くけど、明るい未来が待ってると信じて一緒に乗り越えていきましょうよ」と本紙にエール。ところが通話が切れると、即座にBUSHIから唐揚げ代金の請求メールが届いた。