【世界のレジェンド ライガーが語る獣神激論(4)】獣神サンダー・ライガーが気になる話題やプロレス論を語る「獣神激論」、今回は怒りの獣神が降臨だ。IWGPヘビー級&インターコンチネンタル2冠王者のEVILが高橋ヒロム(30)を退けた25日の愛知決戦は、バレットクラブの介入により大荒れの展開に。“不透明決着”が続く新日マットに緊急提言した。


 先日の愛知大会を解説させていただきました。やはりファンの皆さんもおっしゃってるように、タイトルマッチとか大きな試合ですぐ乱入がある。レフェリーを巻き込んでその間に…っていうのがあまりにも多いという声があるんです。

 そうなった時にIWGP実行委員会は何か手立てがないのかなと。例えば本部席にサブレフェリーをスタンバイさせておくとか。同じようなことが続いて一体どうなってるんだとなるのはよくないと思うんです。ユニットにどうこう言ったって聞かないんだから、ルールを厳罰化しないといけないんじゃないかな。

 新日本が業界のリーダーを名乗るなら、ルールを守らないと。レフェリーに危害を加えてという、他のスポーツでは考えられないことが起きている。5カウント以内なら(反則)OKというプロレスならではのルールも面白みの一つと思うんですが、横行すると「ん?」ってなっちゃいます。

 解説でワーワー声を出してる僕でもフラストレーションがたまってるからね。コロナ対策で大声を出すのを我慢してくれてるお客さんのストレスたるや…。見終わって「今日プロレス楽しかったよな」って思ってもらえる試合を全員で心がけてほしい。そんな願いも込めて、実行委員会に対して提言したいですね。

 あと8月29日の明治神宮野球場大会は楽しみです。21年ぶりでしょ? 前回(1999年8月28日)僕が出場した時はIWGPジュニアタッグ選手権で世代闘争の試合(ライガー、エル・サムライ組VS大谷晋二郎、高岩竜一組)だったけど「暑さに負けないような試合をしよう」ってサムライと話した記憶があります。だってリングも暑いし、ロープまで熱いし…。

 対策? ないよ。試合をガンガンするしかないもん。暑さとの戦いでもあるんだから。今年も暑いと思うけど、それを忘れさせてもらえるような試合をしてもらいたいね。オープンな球場での大会は、密を避けるって意味合いが大きいと思う。今はワクチンがないので、どうしてもコロナっていうのは隣にいますよね。その中で自分たちが何をできるのか、顔を上げてどう進んでいくかを考えていかないといけない。そういう意味で神宮大会は一つのテストケースになるんじゃないかな。

 他団体の話ではノアさんとDDTさんの経営統合というニュースもありました。会社がどうのこうのって、実は選手はあまり関係ないよね。プロレスラーなんだから、要は練習して試合をする場所を求めているわけで、いい環境が整えばいいなと。プロモーションや演出も大事なんですけど、お客様に試合を面白かったと思ってもらうことが一番。彼らがのびのび試合をできる、今まで以上に集中できるとなれば、新日本プロレスにとっても脅威ですよね。ノアさんもDDTさんもいい選手がいっぱいいるので、面白くなると思います。