全日本プロレスの秋山準(50)が、専修大レスリング部で3年先輩の中西の引退に際し、深く感謝の意を表した。「あんな人は後にも先にも中西先輩だけ。いじめも、しごきもない。後輩を気遣う優しい先輩だった。それでいて強い。スーパーマンみたいな人でした」

 一部では有名な話だが、秋山は入部と同時に中西と同部屋に入った。1年坊主と4年生。他の4年生が神様的存在だったのに対し、中西だけは違った。ある日、緊張し続けていた秋山が「一緒に見ないか」と誘われたのは、まだビデオテープだった時代の洋モノAV。中西は画面で金髪美女があえぎ声を上げると「Oh Baby Yes! Yes!」と同時に野性の咆哮を上げたという。

 やがてクライマックスを迎えるや、中西は興奮しきった様子で「Oh Yes! Baby I’m Coming!」と絶叫。当時19歳の秋山は横で凍りついていた。「新入生の緊張を解こうという中西先輩ならではの思いやりでしたが…逆に緊張しまくっちゃいました(笑い)。でもそんな優しさが魅力でした」

 プロ入り後は2003年のG1クライマックスなどで対戦した。「全部が規格外。首を負傷(11年6月に中心性脊髄損傷)された時は、あの中西先輩でもケガするのかと驚いた。でも奇跡の復活を果たされたのはさすがだと思いました。本当にお疲れさまでした」と感慨深げに話した。