制御不能男が歴史に名を刻んだ! 新日本プロレスの年間最大興行「レッスルキングダム14」(5日、東京ドーム)のメインで、IWGPヘビー級・IWGPインターコンチネンタル(IC)ダブル選手権が行われ、IC王者・内藤哲也(37)がIWGP王者オカダ・カズチカ(32)を撃破し、史上初の2冠王に輝いた。 

 無冠で臨んだ東京ドーム2連戦で、一気に2本のベルトを手にした。前夜はジェイ・ホワイト(27)を破ってIC王座を奪取。2冠戦の舞台に駒を進めた。相手は前夜に飯伏幸太(37)を下してV5に成功したオカダだ。地鳴りのような大歓声に包まれ、白いガウン、白いスーツに身を包んだ内藤は、ファンの期待を一身に背負ってリングに立った。

 序盤は王者ペースで進んだ。だが内藤も負けていない。オカダの首に狙いを定め、ダメージを与えていった。中盤で内藤は、放送席のテーブルにニークラッシャーで叩きつけられ、爆弾を抱える左ヒザに大ダメージを負った。場外カウント19で何とかリングに戻るも、ここからミサイルキック、ジャーマンで追撃された。

 雪崩式のリバースフランケンシュタイナーで一矢を報いるや、浴びせ蹴りから、デスティーノを発射。ヒザ立ちでのエルボー合戦でも一歩も引かなかった。王者のツームストーンパイルドライバーでピンチを迎えても、レインメーカーをデスティーノで逆転。スターダストプレスから、最後は渾身のデスティーンで3カウントを奪った。

 試合後、大「内藤」コールに包まれる中、左手にICベルト、右手にIWGPベルトを手にして「オカダ、東京ドームのメインイベントでの勝利、ものすごく気持ちいいよ。またいつか、東京ドームのメインイベントで勝負しようぜ」と呼びかけた。

 2018年1月4日の東京ドーム大会メイン、内藤はオカダのIWGP王座に挑戦した。だが試合に敗れ、オカダからは「東京ドームのメインイベント、どうだった? 最高に気持ちいいだろ。勝つと、もっと気持ちいいぞ。東京ドームのメインイベントで、もう一回やろうぜ」と声をかけらえた経緯があった。

 あれから2年。あの時見えなかった光景、花道がそこにあった。そして2年前にできなかった「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」の大合唱に入ろうとしたその時だった。

 第5試合でNEVER無差別級王座から陥落したKENTA(38)が急襲し、ゴー2スリープで2冠王をKO。2本のベルトを持って、内藤の上であぐらを組んだのだ。

 内藤はBUSHIの肩を借りてリングを後に。大ブーイングに包まれる中、史上初の東京2連戦は歴史的なバッドエンドで幕を閉じた。

 オカダの話「ああ苦しい、負けました。飯伏さんはG1チャンピオン、ジェイはインターコンチチャンピオン。内藤さんは何も背負うものがなかったのかなとは思うんですけど、今日戦って、あんだけの歓声、期待を背負って戦ったら、そりゃ強いわと思います。別に2連戦だ、どうだっていうのは言い訳にできない。向こうだって連戦でやってる中で、今の新日本プロレスで内藤哲也が2冠にふさわしい男だと思います。まあ本当に、今日も超満員にすると言ってできなかったですし、今日のために精一杯言ってきたんで、オカダ・カズチカ、2020年は悔しい一年の始まりなのかなと。この悔しさをバネに、明日から頑張ります」