新日本プロレス14日の東京・両国国技館大会で鈴木みのる(51)とのシングル戦に臨む獣神サンダー・ライガーが、最後の鉄拳制裁を予告した。来年1月4、5日の東京ドーム大会での引退を控える身ながら、因縁深き後輩との抗争に闘志満々。2002年11月のパンクラス横浜大会で敗れてから約17年、その胸に去来する思いとは――。

 2人の抗争は、先月シリーズで再燃した。みのるの度重なる挑発に激怒したライガーは、同22日神戸大会では自らマスクを脱ぎ、白くペイントされた狂気の「鬼神ライガー」を降臨させた。両国決戦に向けて「うまく鈴木の手のひらに乗せられたかな。あいつの方が、俺の性格をよく知ってるよね。乗せられようが何しようが、あれだけのことをやられてるわけだし。会社もシングルにOK出したんだから、そりゃ俺はいきますよ」と語気を強めた。

 みのるは若手時代にかわいがっていた後輩。2002年にはパンクラスルールでの対戦を受けて立ち、これがみのるのプロレス復帰につながった。一方でライガーは、この敗戦を機にリベンジを見越して柔術を学ぶようになり、11年には紫帯を取得。そんな思いを知ってか知らずか、みのるからは雑談で「なぜ今さら柔術を始めたのか?」と聞かれたことがあったという。「『バーカ、お前を倒すためだ』って。こいつ、なに言ってんだ?って思ったよね。他に何の理由があるんだ」

 引退が迫る立場とはいえ、矜持を持ってリングに上がる以上、最後まで後輩になめられるわけにはいかない。「鈴木の方がリスクは大きいよね。これはパンクラスルールじゃないから。返し技もあるし、いろいろな反則を交えての技もあるし。そういう意味では俺の方が幅広いと思うよ。引退する人間に負けたらどうすんの?って心配もしてるよ、まじで」と笑みすら浮かべた。

「とにかく一発ぶち込んでやりたいね、やるからには。あいつに一発、かち食らわしたいし、ぶん殴りたいかな」。恩讐の果てに実現する2人の最終章は、殺伐とした空気が充満している。