新日本プロレス31日(日本時間9月1日)の英国・ロンドン大会で鈴木みのる(51)とのV3戦に臨むIWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(31)が27日、防衛ロード再開へ決意を表明した。G1クライマックス不出場ながら挑戦権を獲得したみのるに警戒を強める一方で、史上初の英国でのIWGP戦に闘志を燃やす。必勝の思いを強めたのは、先日の日本テレビ系「24時間テレビ」出演時の出来事だ。

 オカダにとって屈辱の夏だった。G1の優勝決定戦進出を逃して迎えた最終戦(12日)では、みのるにまさかのフォール負けを喫し王座挑戦権を与えてしまった。みのるはG1メンバーから落選したことを糾弾しており、不出場の選手にベルトを奪われれば団体の威信にかかわりかねない。

 オカダは「(みのるが)G1レベルではないとは思わないですよ、もちろん。今年のG1に出ても0勝9敗ではなかったと思いますし」と語り、挑戦者を警戒する。12日の試合でみのるが初公開した、ラ・ミスティカ式裸絞め(ヘッドシザーズの体勢からスリーパーに移行する技)に苦しめられたことも大きかった。「あの年になっても向上心があるというか、想像もしないことをやってきたわけで。ちょっとすごいと思ってしまいましたね。目を覚まされたというか。それだけこのベルトにかけているんだなと感じました」

 G1後のオフ期間中も心は休まらず、むしろ闘争心に火をつけられた。25日には「24時間テレビ」の企画で他種目の猛者とドリームチームを結成し、綱引き日本王者に挑戦。結果は惜敗に終わったが「負けた相手に『強かった』って言われて、あんなに悔しいものかと。久しぶりに言われましたよ、そのセリフ。気を引き締めて、プロレスでは自分がそのセリフを言う側でいたいですね」と大いなる刺激を受けた。

 また本番前にタクシーで両国国技館に到着した際には、警備員に「一般の方ですか?」と声をかけられるひと幕もあり「僕もまだまだだと思いました」。銀座でのNHK街頭インタビューに続く「オカダまだまだ伝説」に新たな1ページが加わってしまったことで、プロレス普及への思いも新たにした。

 欧州でのIWGP戦開催は2005年6月のイタリア大会以来約14年ぶりで、英国では初となる。「IWGPこそ新日本だと思うので、いろいろな国の人に生で見てすごいなと思ってもらえれば。英国のプロレスも活性化されると思いますし」。逆襲の防衛ロードがスタートする。