新日本プロレスのIWGPインターコンチネンタル(IC)王者・内藤哲也(37)が、G1クライマックス覇者・飯伏幸太(37)の提案を“歓迎”した。来年1月4、5日の東京ドーム2連戦の初日でIWGPヘビー級王座、2日目にIC王座挑戦を目指す飯伏の青写真は、2冠を目指す内藤にとっても「渡りに船」の展開。その一方で、現状では問題点が山積みと指摘した。

 飯伏のタイトルマッチ2連戦案により、来年のドーム決戦は早くも風雲急を告げている。そこで本紙は夏休みで帰省中のIC王者に取材を依頼。「来てくれるなら日頃の感謝も込めてごちそうしますよ。遠慮せず好きなものを食べてほしい」という珍しい言葉に甘えると、指定された場所は内藤の地元、東京・足立区にある駄菓子屋だった。

 IWGP&ICの同時戴冠は、そもそも内藤が今年1月から掲げてきた目標。ここにきての飯伏の2冠狙いは当然面白くないはずだが、発言を歓迎せざるを得ない側面もある。「G1優勝、そして権利証を逃した時点で目標は遠のいてしまったかと思ったんですけど。まさにベルトの方から俺に近づいてきた状況なのかな。そういう意味では俺にとっては好都合でもありますよね」と語る。

 仮に飯伏が初日にIWGPを奪取した上でダブル王座戦を要求してきた場合は「もちろん受けますよ」と言い切る。もっともそのためにはベルトを保持し続けることが絶対条件。今後はG1の公式戦で敗れた4選手(ジェイ・ホワイト、ジョン・モクスリー、タイチ、矢野通)がIC挑戦を要求した場合は、受けて立つ構えがあるという。

 ただし、飯伏案の問題点を指摘することも忘れなかった。G1覇者に与えられたのはあくまでIWGP挑戦権であり、IC王者が挑戦を受ける義務はない。「これって、俺がいまICを持っているから成立する話なだけでしょ。彼は『提案』という言葉を使ってたけど、普通に考えたら単なるわがままなんじゃないの?」とバッサリ。さらに「5日にICのタイトルマッチをやるかどうかは、4日のIWGP戦次第っていうのもおかしいしね。先の話ではあるけど、会社としてはそのあたりの答えを用意しておいてもらいたいなってところですかね」と続け、あくまでIC王座を巡る発言権はベルト保持者にあることを認めるべきと主張した。

 この日は意外にも、本当に駄菓子をおごってくれた内藤だったが「こういうのは持ちつ持たれつだから。後日、別の形で返してくれればいいよ。いや~、今日は東スポさんに貸しをつくってしまったな…」と恩着せがましい発言を連発。得意げな表情で385円を支払い、下町の雑踏に姿を消した。