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全日「3冠ベルト」を馬場家に返還
2013年08月07日 11時00分

3本のベルトを前に“最後の3冠戦”に向け決意を語る諏訪魔(囲み写真は馬場元子さん)

 全日本プロレスの至宝・3冠ヘビー級ベルトが、団体創設者である故ジャイアント馬場さん(享年61)の元に返還されることが5日までに分かった。馬場さんの夫人である元子さん(73)の要請を、全日プロ側が承諾したもの。PWF、インター、UNヘビーの3本のベルトが使用されるのは、25日の東京・大田区総合体育館大会で行われる王者・諏訪魔(36)対潮﨑豪(31)の3冠戦が最後となる。

 武藤敬司ら選手の大量離脱を経て、7月から新体制を発足させた全日プロが、重大な決断を下した。王道マットの象徴であり至宝の3冠ベルトを馬場家に返還するというのだ。これに伴い「馬場全日本」は、完全消滅することになる。

 関係者の話を総合すると、きっかけは元オーナーの馬場元子さんからの申し出だった。PWF、インター、UNヘビーの3本のベルトは時の流れとともに老朽化。経年劣化だけでなく、時には凶器として乱雑に扱う不届きな選手もいた。そのため、ベルトはいつ完全に壊れても不思議ではない状態が続いていた。3本のベルトは馬場家が所有するもので、かねて元子さんは壊れゆく至宝の姿を嘆いていたという。

 そして全日側は協議を重ね、返還する方針を固めた。今後も「3冠ヘビー級王座」の名称は変わらず、新ベルトが作製される。その新ベルトは3本ではなく、1本化される見込みだ。また、他の世界タッグと世界ジュニアヘビー、アジアタッグのベルトは返還することなく、従来通り全日側が所有することになる。

 伝統のベルトを巡って争われる3冠戦は、8・25大田区決戦が最後となる。ひとつの役割を終えるにはこれ以上の舞台はない。同会場は3冠発祥の地だからだ。1989年4月18日、インター王者だった故ジャンボ鶴田さんがUN、PWFの2冠王者のスタン・ハンセンを撃破し、史上初めて3本のベルトを統一。初代3冠王者に輝いた会場が大田区体育館だった。同会場は昨年3月から大田区総合体育館としてリニューアルしたが、現在もビッグマッチが行われる新たなプロレスの聖地としてファンに親しまれている。

 現在の王者は諏訪魔で、ライバルの潮﨑と“最後の3冠戦”を繰り広げる。諏訪魔は「本当の節目になる3冠戦。3冠の名に恥じない戦いをしたいと思う。寂しさがないと言ったらウソになるけど、新生・全日本プロレスですから。過去の歴史にオンブにダッコだけじゃダメだと思う。歴史はもちろん大切にしながら、これから新しいものも作り上げていかないといけない」と決意を新たにした。

 鶴田さんに始まり、故三沢光晴さんが通算21度の防衛を重ね、川田利明が最多連続防衛記録のV10を打ち立てた3冠王座。伝統ある3本のベルトは往年の名レスラーたちによる数々の死闘、名勝負を見届けてきた。“主”の元にベルトを返すことで、新生・全日本は独自の道を切り開いていくことになる。

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