約9年ぶりとなる究極の遺恨決着戦が浮上だ。全日本プロレスの暴走男・諏訪魔(42)が18日、“プロレス界の王”鈴木みのる(51)への報復を予告した。対戦の場を“白覆面の魔王”故ザ・デストロイヤーさん(享年88)の追悼大会(11月15日、東京・大田区総合体育館)に指定。平和なメモリアル大会が、一気に危険な香りに包まれた。

 暴走男のフラストレーションが一気にリミッターを振り切った。石川修司(43)との“暴走大巨人”は3日に世界タッグ王座から陥落。王道トーナメントは、まさかの初戦敗退で終わった。「身軽になったどころか怒りをぶつける場所がなくてイライラしっ放しだ。なあ、知ってたら教えてくれよ。暴発寸前の俺のパワーはどこに持っていけばいいんだ?」と諏訪魔は本紙記者の胸ぐらをつかんで壁を蹴飛ばした。

「実はよ、午前中に追悼大会実行委員会からオファーがあった。出てもいいが条件がある。あの男を引っ張り出してこい」。悪魔のような笑みを浮かべるや、こう続けた。「鈴木みのるだ」。予想外の指名にも聞こえるが、両雄の遺恨はかなり根深い。

 諏訪魔は2004年10月にデビュー。一度は悪の色に染まるも、その後は王道マットを変えるべく、新世代の旗手として奮闘を続けた。そこへ風のようにフラリと現れ、全てを破壊したのがみのるだった。「ガキ扱いだよ。誰だこいつ?って顔でケチョンケチョンにされた。あの時の屈辱は一日たりとも忘れたことはねえ。委員会が鈴木を用意すれば行く。できなければ行かない」

 最後の対戦は10年8月の3冠ヘビー級戦で、みのるから王座を奪還した。その後、みのるは再び風のように全日マットを去り、新日本プロレスに戦場を移したため、永遠に接点はないと思われていた。この日の東京・新木場1stRING大会の6人タッグ戦では万力スリーパーで圧倒し、試合後は「鈴木先輩よ、ありがたいことに中立の戦場ができたぜ。お願いだから俺の行き場のない怒りを受けてくれよ」と挑発。白覆面追悼のリングは、ケンカの場へと転じるのか。