11月15日の両国大会で現役を引退したミスタープロレス・天龍源一郎(65)が、新格闘技イベント「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND―PRIX」(29、31日、さいたまスーパーアリーナ)に出場する元横綱曙(46)に緊急エールを送った。その曙は4日、本紙昨報通り、新会社「王道」を設立すると正式に発表。故ジャイアント馬場さん(享年61)の遺志を継ぐ「王道」と“龍魂”を胸にリベンジに挑む。

 RIZINでボブ・サップ(41)と12年ぶりの再戦が決まった曙について聞くと、天龍はせきを切ったように語りだした。「そのころ見ていた人たちが、当時を思い出すということでは悪いことじゃない。ファンが注目するって意味では、ありかなって思いますよ。相撲をやった人は11回(幕内)優勝したっていうのが心のよりどころだから怖いものもないし、意外と割り切ってると思うから」

 同じように相撲からプロレスに転向した曙は特別な存在だ。WAR所属時代にプロレス界にスカウトした過去があり、ハッスルや全日本プロレスのリングで接点を持つ中で、助言もしてきた。だからこそ再び格闘技マットに挑戦する後輩に反対する理由はなかった。

 しかも「(12年前に惨敗した)曙は一矢を報いたいと思っているだろうな。大みそかはそば打ちして過ごすけど、俺もその時だけチャンネルを合わせているかもね。どっちが勝とうが負けようがより、どれだけ気持ち良く散ってくれるかというのを、俺の散り際と比較して見ますよ。未練たらしいと思うか、格好いいねと思うか」とズバリ。壮絶に散った自身のオカダ・カズチカ(28=新日本プロレス)との引退試合と照らし合わせ、曙には“玉砕”する覚悟を求めた。

 また、退団者が相次ぎ危機的状況にある古巣の全日本プロレスについて「俺が宝くじ当たったら買い取ってやる!」。引退後はプロレス界の情報をほとんど仕入れていないというが、思い入れのある曙と全日本の動向だけは注視している。