【プロレスキャスター・元井美貴の本日、プロレス日和】東京スポーツ新聞社制定「2019年度プロレス大賞」が発表されました。元井も参加させていただいた選考委員会では、今年も熱い議論が交わされました。MVPは世界への発信力が評価された新日本プロレスのオカダ・カズチカ選手が4年ぶり4度目の受賞。ベストバウトは新日本10・14両国大会でのオカダ選手VSSANADA選手のIWGPヘビー級王座戦が選ばれました。2人のライバル関係への注目度がうかがえますね。

 個人的なベストバウトは、ウィル・オスプレイ選手と鷹木信悟選手による新日本「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」優勝決定戦(6・5両国)でした。新日本をクリスマスツリーに例えるなら、星の部分がオカダ選手で、木の幹の部分はスーパージュニアもG1も参戦して会場の熱を生んだオスプレイ選手や鷹木選手であり、勲章に値すると感じます。

 全日本プロレスでは殊勲賞を受賞された宮原健斗選手が3冠ヘビー級王者としてけん引したからこそ、ジェイク・リー選手、野村直矢選手、青柳優馬選手の奮闘が目立ちました。これまでは宮原選手が「早く俺のところまで上がってこい」と呼びかけていましたが、将来的な4強時代の到来が感じられますね。

 女子プロレス大賞は「強さ」「華やかさ」「活躍の規模」が議論の争点になりました。受賞されたスターダムの岩谷麻優選手は世界で活躍されたスケールの大きさ、賞を争ったセンダイガールズの橋本千紘選手は男子選手を相手にしても圧倒的な強さを誇る点が評価されました。選考委員の悩みが、2票差という結果に表れています。

 プロレス界も、時代とともに変わりつつあります。階級、性別を超えて「すごい選手はすごい」と世界に向けても発信できるよう、自分も進化しなければと感じました。来年はプロレス界がさらに大きく広がり、多くの方の心に届きますように。次回のプロレス大賞を予想しながら、それぞれのベストバウトを目に焼きつけましょう。