3月7日に死去した“白覆面の魔王”ザ・デストロイヤーさん(本名ディック・ベイヤー=享年88)の追悼大会(11月15日、東京・大田区総合体育館)メインで、平成を代表するマスクマンの獣神サンダー・ライガー(新日本プロレス)、武藤敬司(56=W―1)、全日本プロレスの3冠ヘビー級王者・宮原健斗(30)が奇跡のトリオを結成することが14日、分かった。元祖覆面戦士のメモリアル大会は、一気に盛り上がりを見せてきた。

 大会を主催するH.J.T.Production社代表取締役の緒方公俊氏(32)によると、この日までにメインの武藤、ライガー、宮原組VSSANADA(31)、BUSHI、KAI(36)組が内定したという。近日中に正式発表される。

 注目は来年1月4、5日の東京ドーム2連戦を最後に引退するライガーの参戦だ。カード決定前から出場を快諾したといい「何年か前にカリフォルニアで(デストロイヤーさんに)お会いして、その際に写真も撮っていただいた。マスクマンの元祖であり、大先輩なのにすごく気さくに接していただき、いくつもポーズを取っていただいたことを覚えています。追悼大会出場のお話をもらった時は本当にうれしかったし、光栄なこと。僕は僕らしい試合をするだけだと思っています」と感無量の様子で語った。

 デストロイヤーさんは日本プロレスの祖・力道山と激闘を展開し、元祖かつ昭和を代表するマスクマンとして歴史にその名を刻んだ。

 一方、来年1月に覆面人生に別れを告げるライガーは、平成元年に誕生。海外でもレジェンドとしてリスペクトされ、4月の米マジソンスクエア・ガーデン大会では大歓声を集めた。いわば昭和と平成を代表するマスクマンが“頂上合体”を果たす。

 また、宮原は2月に行われた故ジャイアント馬場さんの「没20年追善興行」に続くメモリアル大会出陣となる。同大会メインでは新日プロの不動のエース・棚橋弘至と歴史的な初遭遇を果たしており、平成から令和を疾走する時代のトップランナーとして出陣する。

 そして武藤だ。“魔界の住人”グレート・ムタの代理人であり、マスクマンには人一倍理解がある。両ヒザの人工関節置換術による長期欠場から6月に復帰したばかりの天才が、また男を上げた。対戦相手も最前線を走るトップ選手ばかり。追悼大会は、昭和・平成・令和の3時代が時空を超えて総集結するイベントになりそうだ。