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【男児置き去り】“空白の5分”証言への疑問


 北海道警と消防は、道南部・七飯町の林道で両親からしつけとして車から降ろされ、28日午後から行方不明となっている小学2年田野岡大和くん(7)の捜索を31日も行った。現場周辺は夕刻にかけて雷雨となる予報で、道警などは発見を急ぐ。山菜採り→しつけ、ジーパン→ジャージーと父親(44)の説明が二転三転したことで、初動捜索に影響が生じたところがあるかもしれない。ヒグマの出没や夜間の寒さが心配されるなか、専門家は新たな疑問と誘拐の可能性を指摘した。

 30日は消防や道警など約130人態勢で、不明になった現場から半径5キロ範囲を中心に道路周辺や廃屋を捜索。消防隊員らが茂みをかきわけ、大和くんの名を大声で呼びながら捜したが、29日の約180人態勢での捜索に続き、成果を上げられなかった。捜索4日目の31日も同規模の態勢を組んだ。

 大和くんは28日、両親と姉の一家4人で鹿部町の公園で川遊びをしたが、公園内で人や車に石を投げた。そのため、車で帰宅途中の午後5時ごろ、七飯町の未舗装の林道にしつけとして置き去りにされた。北海道はいまの時期、午後5時でも昼のように明るい。約5分後に父親が現場に戻った時には、すでに姿は消えていたという。

 28日の現場付近の日没は午後7時ごろ。未舗装とはいえ、道路と茂みの境目ははっきりしており、視界不良によるアクシデントに巻き込まれたとは考えにくい。

 こうした状況から、地元ではやはりクマ被害を心配する声が上がる。

「道南の渡島一帯はヒグマの生息密度が高く、500頭はいるとされています。また、ヒグマは襲った獲物を、ライバルに見つからないよう埋めたり隠したりする習性がある。今回の男の子がヒグマと遭遇していなければいいんですが…」(地元関係者)

 道南ではこれまで何度もヒグマが出没しており、1999年には木古内町で函館市職員がヒグマに襲われる事件が発生。この時も遺体の半分は草で隠されていた。

 そんな猛獣と遭遇しかねない山中に置き去りにされた時点で相当な恐怖があったことは想像に難くない。函館中央署は両親の行為が保護責任者遺棄の容疑に当たるかを慎重に調べるとしている。

 もっとも、前出の関係者は次のような指摘もする。

「行き過ぎたしつけとして日本中で報道されているようですが、実はこっちでは、親が反抗する子供に『言うこと聞かないと山に置いてくるよ』とおどすことは多くの家庭であるんです。もちろん本当に実行することはないですが、しつけの方向性自体はありえないことではない。本当に何らかの歯車が狂って、今回のようなことが起きてしまったのではないでしょうか」

 今回の件は当初、両親が山菜採りの最中に大和くんが行方不明になったと通報し、後に「しつけのために置き去りにした」と説明を翻した。

 犯罪ジャーナリストの北芝健氏は「両親の話が本当であれば、普段から手の焼けるやんちゃ盛りの7歳児に何を言っても聞かず、他人に向かって投げていた石が何かの拍子に父親に当たるなどした瞬間に憎しみが湧き、“しつけ”と称し置き去りにした可能性があります」という。

 だが、北芝氏は「5分後に現場に戻った時には姿が見えなくなっていた」という両親の説明に注目。「本来なら“大人と一緒でなければ行っちゃダメ”と言われているような場所のはず。置き去りにされたら立ちすくんでしまい、とてもあちこち動き回れるとは思えない」と指摘する。

 5分の間に、別の車に誘拐されたなど事件に巻き込まれた可能性もゼロではない。

「遊びに行った公園で子供が石を投げつけるだけの人や車がいたのなら、その帰り道の場所で5分間もいたら、誰かが通るはず。子供が1人でいたら、見ず知らずでも『迷子なの?』『親は?』と尋ね、保護するなり、通報するなりするはずです。今までそうした連絡が入っていないということは“子供が5分間置き去りにされた”という状況さえも本当なのか疑わしい」と北芝氏。

 大和くんは一体どこにいるのか。

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