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〝机上の空論〟暴排条例は効果なし

2012年02月04日
ノンセクション

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東京都で暴力団排除条例が施行されて3か月以上経過したが、施行前後の大騒ぎに反し、都内での条例による勧告は12月に1件あっただけだ。暴排条例は効果的に運用されているのか。ヤクザ歴50年、刑務所歴30年の元暴力団組長で作家の石原伸司氏(73)に聞いた。
暴排条例による勧告、逮捕は思ったほど多くない。最近では福岡県で12日までに、暴力団の事始め式に仕出し弁当を納入した業者に対し、県警が「利益供与に当たる」と暴排条例に基づき注意、暴力団幹部に警告。業者は「条例は知っていたが、断れなかった」としている。
「ヤクザ側も初めは『やばい』と焦った。でも、腹をくくって『最後は刑務所に行けばいいんだ』とこれまで通りの行動をしたのにほとんど逮捕されない。最初に見せしめでバンバン逮捕すればおとなしくなったのに、今は変わらずゆったりしている。困っているのは市民の方だ」と石原氏。現場の刑事たちも困っているという。
「学歴だけでトップに立ったキャリアが机上の空論で作った条例だから、ヤクザへの効果がなかった。ヤクザ側としては『ヤクザと警察は持ちつ持たれつの関係だったのに、警察はヤクザを本気で潰そうとしているようだ。もう警察には協力しない』という姿勢になる。困っているのは現場だ」
警察による拳銃や覚醒剤摘発の多くは、暴力団側からの情報提供によるものだ。
「ヤクザは敵対組織の密輸情報などを警察に流したり〝クビなし〟の拳銃や覚醒剤を提供したり、警察に協力してきた。それが条例後、止まった」(石原氏)
警察には銃や覚醒剤の押収ノルマがある。
〝クビなし〟とは、被疑者不明のまま、拳銃や覚醒剤などのブツだけを押収すること。情報屋の情報通りに駅のロッカーなどからブツだけを押収する。逮捕者は出ないので暴力団側もさして困らず、警察も押収のノルマは達成できる。だが、条例に怒った暴力団側がこうした警察への協力をやめたのだという。
もっとも、暴排条例が効果抜群だったら、日本の治安はひどい状況になるとも言う。
「今の暴力団のトップは若い者に犯罪を犯すなと注意している。守れない者も多いけど。でも、もし条例に効果があって、暴力団が追い詰められたら、トップは『何をしてでもいいからカネを持ってこい』となる。そうすると強盗殺人、監禁しての身代金、強姦からソープに沈めるなど、凶悪犯罪が横行するだろう」
何とも中途半端な条例だったようだ。

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