ボクシングのWBA世界ウエルター級王者で6階級制覇王者のマニー・パッキャオ(40=フィリピン)による「日本人ファイター育成計画」が持ち上がっていることが19日、分かった。格闘技イベント「RIZIN.15」(21日、横浜アリーナ)ではパッキャオが推すフリッツ・ビアグタン(23=同)が那須川天心(20)と対戦するが、今後の推薦選手は日本人になる可能性が浮上。まずは元K―1スーパーフェザー級王者の大雅(22)が“パックマン軍団”入りに名乗りを上げた!

 パッキャオは18日夜に家族と来日。これにより大会当日は予定通り、会場を訪れることが確実となった。この日は都内で行われた出場全選手インタビューの場に姿を現さなかったが、フィリピンでの分刻みの超過密スケジュールから解放され、家族とリラックスした時間を過ごした模様だ。

 来場する最大の目的は、推薦したビアグタンと那須川の試合を見届けるためだ。期待をかけられたビアグタンは「自分を選んでくれたことに驚いた。今まで努力してきたことを認めてもらえて感謝している」と語った。

 パッキャオと「RIZIN FF」が「プロモーションに関する契約」を結んだことで実現した今回の来日だが、今後はさらに一歩踏み込んだ関係になりそうだ。それがフィリピンでのパッキャオによる日本人選手育成だ。RIZIN関係者によると、今回の契約を踏まえ、同計画の実現を検討しているという。

 このプランに即座に反応したのが元K―1スーパーフェザー級王者の大雅だ。2017年9月を最後にK―1を離れてから、国内で試合を行えない期間があった影響もあり、2年近くも白星から遠ざかっている。

 今大会では復活をかけタリソン・ゴメス・フェレイラ(23=ブラジル)と対戦する大雅は「パッキャオの見ているところで試合ができるのはうれしいです。必ず印象に残る試合をしたい。そして(パッキャオの下に)行かせてもらいたい!」と表明。RIZIN関係者も「実現すれば大雅が候補になるのは確か」と後押しした。

 あえて世界的スーパースターに日本人選手の育成を託すのは当然、理由がある。「(プロ34連勝中の)天心を脅かす日本人選手を育ててほしいという目的もある。盛り上がるために対抗できる選手がどうしても必要」と同関係者は明かす。いずれは日本マット界を襲来する「パッキャオ軍団」の誕生に期待がかかりそうだ。