挑発画像は日本ボクシング界への「決別宣言」なのか。ボクシングのWBO世界スーパーフライ級王者、井岡一翔(31=Ambition)が19日に、総合格闘家の平本蓮(22)のツイッターで「タトゥー文化最高」のタイトルとともに中指を立てている画像を投稿した。大みそかの田中恒成(25=畑中)戦でタトゥーが露出していたことが問題視され、処分が取りざたされている中での挑発的行動は波紋を呼びそうだ。

 ツイッターが投稿されたのは19日の午後9時すぎ。半袖姿でタトゥーをあらわにしながら左手の中指を立てている平本の隣で、一翔も同様に左手の中指を立てたポーズをとっている。

 長袖を着ているのでタトゥーは見えないものの、タトゥー批判派への挑発とも受け取れる画像だ。

 このタイミングは最悪ともいえる。日本ボクシングコミッション(JBC)は19日の午後5時に、2020年の年間表彰各部門の候補を発表。一翔は「最優秀選手賞」(MVP)と、田中戦が「年間最高試合」と、最高峰の2部門などにノミネートされた。

 ボクシング界が昨年の国内ナンバーワンの候補として名前を挙げた矢先にこのメッセージ。田中戦でタトゥーが露出したことについては近く開催されるJBCの倫理委員会で議題となることが決まっている。

 平本は一翔のタトゥー問題が話題になり始めた際に「JBCマジでくだらない」と強烈なメッセージをツイッターに投稿した。その人間らとともに中指を立てて「タトゥー文化最高」とやったことは、倫理委員会をも挑発して、最悪の印象を与えたようにも見える。

 この点についてJBCの安河内剛事務局長(59)は20日、「我々はタトゥーを入れていることについてや、その考えについて議論するわけではなく(試合では隠さなければならない)ルールに違反したことが対象。今回のこと(ツイッター)が影響を与えることはありません」としている。

 とはいえ、ボクシングで定められたルールに違反したことは事実。今回のタトゥー騒動で「スポンサーが集まらなくなるかもしれませんよ」と民放関係者は危惧していたが、その根底の問題で火に油を注ぐような行為は、テレビ局やスポンサーからのこれまでのような支持を失う原因となり得る。

 もっとも一翔は海外志向が強いだけに、倫理委員会のことなど関係なく、タトゥーに規制のない国外へ軸足を動かすというメッセージなのかもしれないが…。