今夏の参院選比例代表に立憲民主党(枝野幸男代表)から立候補する元プロ格闘家でアーティストの須藤元気氏(41)が4日、本紙に政界進出への思いを激白した。

 須藤氏は全日本ジュニアオリンピックのレスリング(グレコローマンスタイル)で優勝後、プロ格闘家へ転身して「変幻自在のトリックスター」というニックネームでUFC―JAPAN王者として大活躍した。

 現在は学生レスリング日本代表監督、日本オリンピック委員会強化スタッフ、拓殖大学レスリング部監督を務め、就任から最優秀監督賞を10回受賞している。アーティストとしての活動も積極的で、自ら立ち上げたパフォーマンスユニット「WORLD ORDER」は、世界中に多くのファンがいる。

 政治家転身を決めた理由について「格闘家になる前に、学校になじめず、漠然と不安を感じた経験がありました。自分が培ってきたことを生かし、これまでの経験を世の中に還元していきたい」。

 選挙戦では食の安全、地球環境保護、平和外交と多様性尊重社会の実現を訴える。気になるのは与党・自民党ではなく、野党第1党の立民から出馬を決めた理由だ。

 須藤氏は「実は友人からも『なぜ自民党でないのか?』と聞かれた。立民は多様性を重視している点が、私の平和外交と多様性尊重社会の精神の実現につながりました」と話す。

 立民の参院選比例代表候補は須藤氏の出馬で現在20人になった。今後は「比例代表は女性中心にさらに候補者を増やす」(立民関係者)。

 須藤氏は立民のほかの候補者たちとも連携して選挙戦を展開する。

「選挙戦は素人です。立民の先生方にアドバイスを受けながら、大都市を中心に支持を訴えていきます。街頭演説で『なぜ政治家になりたいんだ』と批判を受けることがあると思う。私の思いを伝えていくだけです」

 目標にしたい政治家について、須藤氏は「自民党の方ですが、後藤田正晴さん(元官房長官、故人)のような骨のある政治家を目指していきます」と力強く語った。