名作映画「犬神家の一族」(市川崑監督、原作・横溝正史)の名シーン、水面に浮かぶ「逆さ足」が登場し大騒ぎとなっている。これは11月19日に開催する「角川映画祭」に関連して設置されたものだというが、関係者も驚くほどの反響があるのだという。

 1976年10月に公開された「犬神家の一族」は俳優・石坂浩二が探偵の金田一耕助役を演じ、一大ブームとなった。映画の中でも伝説的なワンシーンが死体の両足が湖から突き出る「逆さ足」の場面だ。

 その逆さ足が突如、住宅街の中に現れた。これは同映画祭が開催される「ところざわサクラタウン」内の池に設置されたものだが、周囲の風景とのあまりのギャップに「めちゃウケる!」「面白い!」「マジ逆さ足なんだけど!」とSNSを中心に大バズり中なのだという。

 広報担当者は「私もここまでバズるとは思っていませんでした」と驚く。文化的な意味があるとはいえ、不気味さ満点なだけにクレームが来ることも覚悟していたそう。ところが「なぜか〝映えスポット〟になってしまっていて。わざわざ、この逆さ足を見るためだけに来る方もいらっしゃるんですよ」(同)と歓迎ムード。

「親子連れの方もいらっしゃって。親が子供に『この足はね、犬神家の一族という映画があって…』と説明していたり、老夫婦が『犬神家、懐かしいね』と」(同)

 ちなみにこの「逆さ足」は映画の美術を担当するプロの手により精巧に再現されたもの。高さは約80センチほどで、大人2人掛かりで設置した。「まずこの池の水を抜いて設置したんですが、水がたまるのに8時間かかりました。とてもシュールな感じでした」(同)

 今回の映画祭では「犬神家の一族」が初めて4Kリマスター版として世界初公開される。細部まで鮮明に映し出されているというから必見だ。同担当者は「4Kリマスターになることで、毛の感じもすごく細かく分かります。このリマスターで、佐清(すけきよ)の〝知られざる秘密〟も明らかになっています」とPR。まさかあの逆さ足がバズりスポットになるとは…。