新型コロナウイルス感染拡大防止策として政府が17日、緊急事態宣言を13都府県に拡大・延長を決定し、会見した菅義偉首相は「医療体制の確保に取り組み、自宅療養者とは必ず連絡を取れる状態にする。酸素ステーションを各地に構築し、病床・ホテル療養もさらに確保する」などとした。

 18日の「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)に出演した同局社員のコメンテーター・玉川徹氏は、菅首相の会見について「一縷の望みを持って、緊急の大規模医療施設・野戦病院などのアイデアが出てくるかと思って期待していたが、案の定出なかった。自信満々で酸素ステーションの話をしていたが、そもそも発案者の神奈川県医療危機対策統括官・阿南英明氏が『酸素ステーションは解決策ではなく、つなぎだ』とおっしゃっているのに、(首相は)あたかも解決策のように言っているのはどうなのか」と切り捨てた。

 さらに、原発事故の際、当時の民主党政権が「悪夢のような(事故)」と連発したことを引き合いに出し「僕は今は悪夢が現実になったような状況だと思っている。(政府は)危機対応がまったくできないじゃないですか」と語気を強めた。

 政府はロックダウン(都市封鎖)について「諸外国をみても決め手とはならない」と実施を否定。他方で政府分科会の中では「ロックダウンの法整備を進めるべき」との意見が出ている。

 これについても玉川氏は「国会で審議し、私権の制限などに配慮し補償もセットにしてロックダウンの法整備をすることはあるべき姿だとは思うが、今じゃない。『決め手とはならない』という菅首相の認識がおかしい」と批判。

 続けて「大火事になっているときにロックダウンをやっても効かないという話だが、ニュージーランドは昨日、感染者が1人出ただけでロックダウンに入った。感染者が少ない段階でやって抑えるという成功例もあるので有効な手段。うまくいかなかった国だけをみて決め手とはならないというのはフェアじゃない」と指摘した。