東京五輪は8日に閉幕したが、米紙「ワシントン・ポスト」は大会が感染爆発を招いたと猛批判を展開している。

 同紙は「東京と日本全国でパンデミックは悪化しており、一様に(感染者数の)記録を打ち立てている。五輪の2週間の間に、1日あたりの症例数は4倍近く増加している」と日本での新型コロナウイルス感染拡大が極めて危険な状況に陥っていると指摘。そのうえで、東京五輪の開催強行が感染爆発を誘引していると分析した。

「大会組織委員会の橋本会長は五輪のバブルから一般大衆に感染が広がった医学的または科学的証拠はないと述べたが、多くの公衆衛生の専門家は説得できていない。彼らは五輪が、政府の説得力のない自制の呼びかけを弱体化させたと主張し、五輪のバブルは主催者の主張よりもはるかに多くの穴があると示した」と厳しく批判。そして、公衆衛生学の専門家で世界保健機関(WHO)で事務局長上級顧問を務めた渋谷健司医師の見解を紹介した。

「私はこの五輪の遺産について考えた。まずパンデミックに対処しない限り、安全で確実なオリンピックは幻想であることを明確に示した。大会は日本社会に傷跡を残し、分裂と不信、そして健康と経済的債務を引き起こした」と東京五輪の開催強行を糾弾した。

 東京五輪の後に残った感染爆発。国民の苦しみはまだまだ続く。