不安なのは日本だけではないようだ。東京五輪に向け、19日に来日したウガンダ選手団の1人から新型コロナウイルス陽性反応が出た。しかもアストラゼネカ製ワクチンをすでに2度接種済みだったことが判明し、海外で大きく波紋を広げている。

 米「ワシントン・ポスト」は陽性者が完全にワクチン接種を済ませていたことに注目。「公衆衛生の専門家は、インドで最初に検出されたデルタ変異株のような非常に伝染性の高い変異株について特に懸念している。誰にとっても100%有効なワクチンはないが、完全にワクチン接種を済ませながら、感染した人たちの症例は警戒を引き起こしている。特に、中国製のシノファームとシノバックは、他のワクチンよりも防御率が少ない懸念がある」と、ワクチンの壁をすり抜ける変異株の恐ろしさを伝えた。

 また「国際オリンピック委員会、日本政府、主催者は、大会を安全に開催できると主張している。しかし、新たな感染症の波が予防接種率の低い多くの国に打撃を与えている間、世界中から何千人もの参加者を集めるのは危険すぎると批評家は話している」と、警告した。

 英「BBC」も陽性者が予防接種を完全に済ませていたことを報道。大会の観客有無について21日に決まるが「日本の医療専門家は『無観客が最も危なくない』と話す一方で、日本政府は観客の参加を希望している」と安全対策のギャップを報じている。

 〝安心安全な大会〟に海外も不安が尽きないようだ。