緊急事態宣言が月末まで延長されたことで、大阪市の市立小中学校に通う生徒の保護者から悲鳴が上がっている。

 緊急事態宣言が発令された先月25日以降、大阪市の小中学校では独自の学習方針を実施している。

 小学校の生徒は1~2時間目を自宅に持ち帰ったタブレットを使ったオンライン授業やプリント学習にあてる。その後、登校し、3~4時間目に学習状況を確認。給食を食べて下校というスタイルだ。中学校も同じような内容で、部活動は休止されている。

 市政関係者は「松井(一郎)市長は当初、オンライン授業に切り替えると発言しましたが、現場が大混乱。オンラインと登校を併用した形になった」と話すが、保護者や教員からの評判は良くない。

 ある市立小学校に通う生徒の保護者は「タブレットを持って帰ってきたのは(宣言から3日目の4月)27日。28日の朝に通信のテストだけやって、その後は持って帰ってきてもない。オンライン授業なんて、この2週間まったくやってない。プリントも10分ほどで終わる。結局、一番飛沫が飛びそうな給食食べに学校行っとるのにね」と明かす。

 教職員もこう語る。

「『何もしてないのか』と現場に圧力をかけてきますけど、そもそも工事をして回線容量も増やしていない。タブレットやルーターを配っても、設定や検証をするのが教師の仕事なのか。皆、困惑しています」

 この方針が当面続きそうな状況に、前出保護者は「大阪市以外は、普通の学習が受けられてるんやろ?(学習の)差開くやん。市長の思い付きで決めたんかもしれんけど、教育機会の平等って何? 市長や教育委員会がアホなんは勝手やけど、子供ばっかり犠牲になって、ええ加減にしてほしい」と怒っている。

 2020年度の「大阪市小学校学力経年調査」結果を見ても、全国平均より劣りがちな大阪市だけに、さらに格差が広がらなければいいが…。