埼玉・戸田市議に当選したものの当選異議が申し立てられている歌手のスーパークレイジー君(34)が22日、議会最大会派の控室に〝突撃〟。ケンカ上等とばかりに議場外で議員らとの初バトルを繰り広げた。

 クレイジー君は選挙前に3か月以上の居住実態がないとして、市民から当選異議申し立てが出ており、調査が進められている中、議会最大会派に属するA市議が「裁判になれば面白い」と落選した議員に対し、異議申し立てを勧めていた言動が明るみに出ていた。

 クレイジー君は前日までA市議と電話でやりとりしていたが、ラチがあかないため、この日、直接の〝事情聴取〟に乗り出したのだ。

「怒りに震えている」というクレイジー君は、控室に入って、A市議を呼び出すや「事情を説明しないんですか? 『裁判になったら面白いと言った』と認めたでしょ?」と一気に詰め寄った。

 完全に及び腰のA市議に対し、クレイジー君は「議員バッジどうこうでなく人として話している。裏でやっていて、気分が悪くないですか? (異議申し立てを勧める行為は)誰かにやらされているともなっている」と畳みかけた。

 仲裁に入ったベテラン市議が「事実確認する」と取り繕うが、クレイジー君の怒りは収まらない。議長経験もある長老格のB市議を見つけるや「会派として事実確認してください」と迫り、押し問答となったが、本会議開始の時間となり、タイムアップとなった。

 この日は会派控室でのやりとりで終わったが、クレイジー君はA市議やB市議らを市役所の屋上に呼び出すつもりだった。

 元暴走族のクレイジー君だけによもや屋上で〝タイマン〟かと勘違いする人も出てきそうだが「屋上には喫煙所があって、防犯カメラが回っているんです。密室で俺が問い詰めたら、手を出したとか、言われかねない。だからカメラがある場所、第三者が立ち会いの下で話を聞きたかったんです。コロナで部屋の中だと〝密〟にもなりますしね」とクレイジー君は実に〝ケンカ慣れ〟していた。
 
 この最大会派の市議らが当選異議申し立てに関与していたかの疑義について、A市議は「(異議申し立てを勧めたのは)雑談の途中で話題になっただけ。働きかけなどとんでもないです」としたうえで、他の人からの指示やそそのかしはなかったとした。また、B市議も「一切わからない」と組織的な関与はなかったと否定した。