「ハイ、パンツ脱いで肛門が見えるように四つん這いになって!」

 11日から春節の大型連休(17日まで)に突入した中国で、新型コロナの新たな検査方法をめぐってひと騒動起きていた。

 これまでのPCR検査は、偽陰性が出てしまうなど精度が低いとの理由で、先月初めから一部の都市で、肛門から検体を摂取する「肛門検査」が行われている。どんな検査かというと――。

 被験者の肛門に、生理食塩水に浸した綿棒を2~3センチ挿入し、回転させ糞便を採取するもの。恥ずかしすぎる検査だが、年齢・性別を問わず多くの中国人が受けているようだ。

 そんな中、騒動が起きた。台湾メディア「自由時報」によると、先月初旬に空路北京入りした韓国人数人が、ホテルで隔離生活を送っていると、おもむろにこの「肛門検査」を求められた。検査員がやってきて、いきなり冒頭のような言葉で検査をしようとしたという。

 これには韓国人もビックリ。が、驚きはすぐさま激しい怒りに変わり、検査を拒否して大使館に駆け込み「なんとかしてほしい!」と訴えた。結局、韓国人たちは、検便のように自ら採取した便を提出することで検査を終えたという。

 現地の専門家は、一部のPCR検査の精度が低いために、より正確な結果が出せる肛門検査に変えたのだろうと話している。

 咽喉部の新型コロナウイルスは、軽症だったり無症状の場合、3~5日で数が大幅に減ることがある。それに比べて肛門内部の便には多くのウイルスが残るため、PCR検査より「肛門検査」のほうが正確というわけだ。

 中国人ジャーナリストの周来友氏は「日本では検便などの習慣があるため、受け入れられやすいかもしれません。でも、国によっては宗教上の理由などから、拒否反応を示す人も少なくないでしょうね。中国を訪れる予定のある人は心の準備が必要かもしれません」と指摘している。