約33年の歴史を誇るテレビ東京系の経済報道番組「ワールドビジネスサテライト(WBS)」とウラ番組のテレビ朝日系「報道ステーション」のガチ対決が実現する。本紙既報通り、WBSが4月改編で現在の平日午後11時枠から、午後10時枠へ1時間繰り上がることが判明。両者とも報道番組のプライドをかけた戦いとなるが、ケンカを売った形のテレ東に果たして勝算はあるのか? 取材を進めると、同局の「女子アナ美女軍団」による〝サラリーマンメロメロ作戦〟をキャッチした――。(視聴率は関東地区、ビデオリサーチ調べ)

「WBS」の10時枠への移動は、本紙が昨年12月22日発行紙面で伝えていた。それから約1か月後の18日、複数のスポーツ紙が報じた。

 平日午後10時枠は「報ステ」の〝指定席〟。「WBS」は約33年もの間、平日午後11時枠から一度も動くことはなかったが、4月から〝報道の雄〟にガチンコバトルを挑む。

 壁は高い。視聴率は「報ステ」が15%前後であるのに対し、「WBS」は3%前後だ。それでもテレ東がテレ朝に挑戦状を叩きつけたのは、「報ステ」がニュース全般を扱うのに対し「WBS」は経済中心で差別化を図れ、勝負できると判断したとみられている。だが、それだけではない。

「もう一つの隠れた理由があって、テレ東の女子アナ美女軍団で、サラリーマンの視聴者をとりこにする作戦があるんです」(芸能関係者)

 現在「報ステ」はメインキャスターを月~水曜担当に小木逸平アナ(46)とフリーの徳永有美アナ(45)、木・金曜担当に富川悠太アナ(44)、森川夕貴アナ(27)を据えている。森葉子アナ(34)もフィールドリポーターとして出演するが、コメンテーターの数などを含めると男性の方が多い。

 かたや「WBS」は、メインキャスターが同局報道局員の大江麻理子(42)と同局の相内優香アナ(34)と女子アナ2人を配置している。解説に日本経済新聞編集委員の滝田洋一氏がいるものの、あとの出演者には、竹崎由佳(28)、森香澄(25)、池谷実悠(24)、田中瞳(24)と、いずれも同局が誇る女子アナ美女軍団がズラリだ。

 さらにフリーも含めれば、フィールドリポーターとして北村まあさアナ(32)もいる。もともとは人気女子アナの大江を筆頭にした、この現在のラインアップを4月以降も継続するとみられる。

「平日夜の報道番組の主要ターゲットはサラリーマンです。仕事終わりの疲れている時間帯に、やはりおじさんの多い報道番組より、女子アナに目移りするのが人情なのでは? テレ東はそういうところも計算しているのです」(同関係者)

 テレ東は、大手パンメーカーのキャッチコピーよろしく〝春の女子アナ祭り〟で4月から一気に勝負をかけるようだ。

 制作会社関係者がこう話す。

「かつてテレ東に大橋未歩アナや亀井京子アナが在籍していたころ、同局にしかないカメラ割りがあることは、業界人にはよく知られていました。カメラマン用にYC(横乳)、UC(上乳)などと記されているのです(笑い)。スイッチしたときに『はい、次YCで!』などと指示が飛ぶ。WBSは硬派な報道番組なので、露骨なスイッチはしないでしょうが、さりげなくはやるかもしれませんね」

 昨年4月、新型コロナウイルスの感染対策が徹底していなかった報ステは、富川アナやスタッフらが感染してしまい、世間から猛批判を浴びた。以来、逆風が吹いているところへ、テレ東の女子アナ美女軍団が斬り込めば、勝負の行方はわからない。

 同関係者は「もちろん、ニュースの質が一番に問われるのは言うまでもない」と指摘するが、果たして?