二転三転して行き着いたのはやっぱり〝自民党〟。NHKから国民を守る党の党名変更で16日、一旦の結論が出た。立花孝志党首(53)は来年1月から「NHKから自国民を守る党」に変更し、略称を「自民党」と決定したのだ。

 この日、N国党関係者だけで開かれた党総会で議題となったのは党名変更だ。立花氏は先月、党名を「ゴルフ党」に変更すると発表したが、その後、「民主党」へと変更。ところが、この党名は既に立憲民主党と国民民主党の略称で使用されているとの理由で総務省から却下されていた。

 そこで次に候補となったのは政権与党の「自由民主党」の略称「自民党」の使用だ。党名を「NHKから自国民を守る党」と変更することで、略称でも「自民党」の3文字の使用が可能になるというウルトラC案だ。

 立花氏は「総務省から先ほど、電話があり、政党名の変更は認めるが、〝自民党〟の略称は認めない。理由についてはただちに申し上げられないと。ウチの方は来年1月から党名変更を届け出る。略称名は争うことになる」と総務省が正式に略称名の変更届を受理しない場合は、法廷に場を移すという。

 N国党の党名変更問題を巡っては、菅政権になって受信料値下げ圧力が強まるとともにNHKの前田晃伸会長が来春からの個別訪問見直しを明言するなどしている状況から、立花氏は「党名変更は話題づくり。ウチはしっかりとNHK問題に取り組んで、成果が出ていることを再度アピールしたい」と割り切っており、あえて物議を醸すゴルフ党や民主党などの変更を発表していた。

 現時点で総務省が略称に関しては不可としているため、今後は流動的ながらも立花氏は「NHKから自国民を守る党」への党名変更は進める。立花氏は「争っている最中は我々が〝自民党〟を名乗ることはなんら問題がない」としており、政権与党の自民党が2つ存在する〝自民分裂〟の事態となる。