27日に放送された人気ドラマ「半沢直樹」(TBS系)最終話で、上戸彩演じる花が夫の半沢にかけた言葉が「自殺する芸能人に聞かせてあげたい」と共感を呼んだ。

 最終話は、航空会社の再建に奔走する銀行員の半沢(堺雅人)が、空港建設に絡む与党幹事長への不透明な融資を追及するも、返り討ちに遭う絶体絶命の危機に直面する状況で始まった。

 幹事長や自行役員らの逆鱗に触れる形となった半沢に帰宅後、銀行側から人事異動を示唆する電話が。異変を察した花は半沢と向き合った。

「出向どころじゃすまない」と謝る半沢に「だったら、いっそのこと辞めちゃえば」。畳みかけるように「銀行員だけが仕事じゃない」「もう頑張らなくていいよ。今までもう十分すぎるぐらい頑張った」「ボロボロになるまで戦って必死に尽くしてきた銀行に、それでも『お前なんかもういらない』って言われるならこっちから辞表を叩きつけてやんなさいよ」と続けた。

「辞表か」とため息をつく半沢に抱き着いた花がさらに「仕事なんかなくなったって、生きていれば何とかなる。生きていれば、何とかね」と元気づけると、「うん」と半沢はうなずいた。

 このシーンにネット上では、最近相次ぐ芸能人の自殺を念頭に「花ちゃんの言葉を聞かせてあげたかった」「生きていればなんとかなるんだよ、絶対にその通り」「花ちゃんのセリフが今の社会に一番訴えたいことだろうね」といったコメントが相次ぎ、多くの視聴者が花のセリフに心を揺さぶられた様子をうかがわせた。

 地位とカネが絡む闘争が前面に出る同ドラマでは「やられたら、やり返す」など殺伐としたセリフが少なくない。最終話で聞かれた夫に対する妻の“癒やし”は、世の中へのメッセージにもなったようだ。