東京都知事選(7月5日投開票)のポスター掲示板で、出馬していない実業家のホリエモンこと堀江貴文氏(47)の顔だらけという前代未聞の珍事が起き、有権者の間で「許されるのか」と物議を醸している。

 堀江氏は先月末に都政改革の提言本「東京改造計画」を出版し、出馬かと騒がれたが「ささいな選挙違反でも検察に狙われる」との疑念は拭えず、ゴーサインを出すことはなかった。

 この間、NHKから国民を守る党の立花孝志党首(52)が「ホリエモン新党」を結党。都知事選には立花氏、堀江氏の秘書・斉藤健一郎氏(39)に加え、告示当日に服部修氏(46)を擁立した。

 当初、小池百合子都知事と同姓同名の候補擁立を示唆していたが、実際には「告示日まで堀江貴文と同姓同名の人を探していたが、見つからなかった」(立花氏)と最後まで堀江氏の出馬にこだわったようだ。その思いはポスターにも表れた。3人の候補者は横並びとなったが、顔写真入りは立花氏だけ。斉藤氏と服部氏は顔写真はおろか、名前も掲載されず、堀江氏の写真と政策が並んだ同一ポスターとなった。

 ネット上では「ホリエモン新党だけずるい」「出ていない人の写真を使っていいのか」と疑義が噴出しているが、ホリエモン新党陣営は事前に選挙管理委員会の審査を経ており、公職選挙法上の問題はないという。

 立花氏は「(小池氏以外に)本気で当選を考えているのは山本太郎さんくらい。当選目的で出ているという人はウソつきですよ」と言い切る。

 候補者の名前・顔写真ナシの作戦は、あくまでホリエモン新党の知名度向上の場と考えているからこそできる離れ業とも。炎上すればするほど注目度は高まり、立花氏の思うツボというワケだ。もっとも、堀江氏が本当に出馬していると勘違いし「堀江貴文」「ホリエモン」と書いてしまう有権者も出てくるかもしれないが、無効票となるため、要注意だ。