美容整形外科・高須クリニックの高須幹弥名古屋院院長(45)がフジテレビ系の情報番組「直撃LIVE グッディ!」に対して怒りをあらわにしている。自粛期間中に美容整形外科業界が大繁盛しているという報道に「完全なフェイクニュースです! あの報道はひどい。美容整形業界の全員が怒っています」と猛反論しているのだ。

 同番組では4月22日の放送で新型コロナウイルス拡大による外出自粛要請によってレジャー産業や飲食業界が大打撃を受ける中、自粛期間を活用して美容整形に行く人が増えており、美容整形業界は活況だと伝えた。「マスクをして顔がわからないから通いやすい」というのがその理由で「予約がパンパン」「お客さんがテロリストに見える」「休みたいけど休めない」といった都内の美容整形クリニックに勤務するスタッフの声などを紹介していた。

 ところが高須院長によると実情は全く違う。

「(自粛期間中に)普段よりお客さんが来たということは絶対にありません。増えているクリニックなんて聞いたことがない。確かに『自粛期間中だから整形できる』という発想で来る人もいますが、それはまれなケース。ほとんどの人がステイホームで来ないですよ。僕が調査した限りではどこの先生に聞いても美容整形クリニックの予約は減っています。『赤字経営をしていてつらい』という声も聞く。緊急事態宣言が解除された後でも患者さんはコロナウイルスが流行する前より減っている。売り上げは半分というところもあります。医療機関はランニングコストがかかるんですが、どこも従業員の雇用を守るために頑張っているという状況です」というのだ。

 同番組で紹介した都内の美容整形クリニックは繁盛していたのかもしれないが、業界全体としては高須院長の指摘する通り低迷していたようだ。「人となるべく接したくない」という理由から医療機関を受診する人の数は全体的に減少傾向にあるというが、コロナ禍によって接待を伴う飲食店が壊滅的な状況下では美容整形業界が最も深刻な影響を受けている。「美容整形の患者さんは水商売の方が多い。水商売が元気がなくなると美容整形クリニックも元気がなくなる」(高須院長)からだ。

 そういった実際の状況とは異なり「自粛期間中に美容整形に行く“不謹慎な人”がいる」という事象をセンセーショナルにとらえた「グッディ!」の報道に対して高須院長は「誇張して報道する方がインパクトがあって視聴率が稼げる。視聴率狙いで大げさに報道して美容整形クリニックが悪いと印象操作されている」とバッサリ。新型コロナが存在する社会の中で経済をどうやって活気づけていくかが日本全体の課題になる中で、マイナス面ばかりがクローズアップされた今回の報道には怒りを覚えている。

 高須院長は21万人以上の登録者数を持つ人気ユーチューバーでもあるだけに5月29日には自身のユーチューブチャンネルに「今、日本中の美容整形クリニックが大繁盛してるっていうニュースは本当ですか?」と題した動画をアップして「グッディ!」の報道に反論した。