まさに“クスリのデパート”――。合成麻薬MDMA所持で逮捕された女優・沢尻エリカ容疑者(33)は、警視庁の調べに大麻、LSD、コカインといった他のドラッグも10年以上前から使用していたと供述し、その常習歴が世間を驚かせている。大のお気に入りだったのがMDMAで、周囲のパリピ(パーティーピープル)の間では「マメラー」(マメ=MDMA好きのジャンキー)と呼ばれるほど。芸能界のドラッグ事情を追い続けてきた本紙が、沢尻容疑者のドラッグ遍歴を一挙公開する。

 沢尻容疑者は取り調べに「10年以上前から大麻やMDMA、LSD、コカインを使用していました。有名人が薬物で逮捕されるたび、私も危ないと注意していました」と供述。「家族と仕事の関係者には迷惑を掛けました。大変申し訳なく思っています」と反省の弁も述べているという。

 10年以上もドラッグをやめられず、中でも近年一番のお気に入りがMDMAだった。一般的にMDMAは直径1センチ以下のラムネのような錠剤で、多幸感が得られることからパーティードラッグ、セックスドラッグとして流通。海外では「エクスタシー」「キャンディー」、国内では「マメ(豆)」「タマ(玉)」「バツ」などの隠語が浸透している。

「沢尻のマメ好きはパーティー業界では有名だよ。あの子“マメラー”だから(笑い)」とはクラブ事情に詳しい関係者。パリピ業界では、MDMAをこよなく愛するジャンキーを「マメラー」と呼ぶらしい。

「沢尻はいくつか入手ルートを持ってると思うよ。足がつかないよう、時期に応じて売人を替えてたはず。知り合いの売人に、本人が直接オーダーすることもあった」と同関係者。

 相当なドラッグ上級者だったのは、自宅マンションの自室から押収されたMDMAからも分かる。

「部屋を入った右に、扉のない3段の棚があり、上から1段目にアクセサリーボックスが置いてあった。中にはアクセサリーが入っていて、その中敷きの下に隠していた。MDMAは白っぽい粉末で白いカプセル入りで、ジッパー付きビニール袋の中にあった」(捜査関係者)

 この保管法について、ドラッグ事情通はこう指摘する。

「マメは通常、固体で流通している。マメを砕いてカプセルに入れて…なんて手間かかるでしょ。でもユーザーがそういうひと手間を加えるのは、マメが砕けちゃったときなんかにあり得る。それに市販のカプセル薬っぽく偽装できるし、粉末のほうが体内への吸収が速く効果的。これはかなりの高等テクニックだよ」

 沢尻容疑者は「MDMAは数週間前にイベント会場でもらった」と供述しているとされるが、一部では、弁護士と接見した同容疑者が「交際相手から預かったものを自分が持っていた」と説明したという報道もある。その彼氏も周囲に「あのMDMAは彼女が使ったものではない」という趣旨の話をしているとも。

 だが、持っているだけで逮捕されるドラッグを、名前の知れた女優の彼女にわざわざ預ける彼氏がいるのか疑問は残る。

 そんな沢尻容疑者を、本紙が初めて確認したのは、ブレークし始めたころの2007年春。同容疑者は、写真集のゲリラ撮影を兼ね、巨大クラブの人気パーティーを訪れていた。

「一般客だと入るのに1時間以上待ちで、外は長蛇の列。そんななか沢尻は、スタッフ2~3人を引き連れ、VIP通路から表情ひとつ変えずに、さっそうと中へ入っていった」(目撃者)という。

 10年9月には、20代タレントの男女数人によるドラッグ乱交パーティーについて報じた。当時、社会問題になり始めていた脱法ハーブを仕入れたオシャレ系ロックバンドメンバーが、自宅を開放し、夜な夜なヤッていた。記事中に匿名Aで登場する人気女優が沢尻容疑者だった。

 12年には、沢尻容疑者に近い人物から警視庁に「違法薬物を渋谷にある会員制のバーのトイレで使っている」との具体的なタレコミもあった。

 15年10月、本紙はアイドル女優のコカイン事件をスクープ。この女優はコカインの所持と使用で2度逮捕されるも、翌月には処分保留で釈放され、翌年3月になぜか起訴猶予処分となった。

 本人の供述や通信・通話履歴などから捜査対象となった芸能人は実に30人以上。当時、捜査関係者が漏らした実名の中にも、沢尻容疑者の名前があった。

 このように、有名人の違法薬物の騒動や事件には、沢尻容疑者の名前が見え隠れしていた。