安倍晋三首相(65)の主催で毎春開かれる「桜を見る会」に多額の公金が使われている問題が、コントのような展開になりつつある。野党は徹底追及の構えを見せている。そんな中、「アッキー」こと安倍昭恵夫人(57)は過去にブログで堂々と疑惑の根幹に関わる記述をしていたことが発覚し、またも夫を窮地に追いやろうとしている。一連の騒動で株を上げた人と、下げた人をピックアップ――。

 10月1日発行の本紙でも報じたとおり、桜を見る会の存在意義が問われている。同会は「各界で功績、功労があった方々」の慰労を目的に開かれているはずだが…。

 主に問題になっているのは2点。一つは同会の開催費用に多額の公金が使われていること。今年は4月13日に開かれ、招待者1万人のところ、なぜか1万8200人が来場。予算は例年1700万円程度だったが、来年度の概算要求は5728万円と約3倍に急増している。

 もう一つは招待客に安倍首相の地元山口県の後援会関係者などが数百人規模で含まれている疑いだ。同会ではアルコールや食事も提供されるため、野党は「税金の私物化で、公職選挙法違反だ」と反発を強めている。

 後援会関係者の参加が問題となり、安倍首相が必死に弁明するさなか、昭恵夫人は13年4月19日付のフェイスブックで「明日は桜を見る会 地元の皆さんと久しぶりにお会いして嬉しそうな主人です…」と写真付きで投稿していたことが発覚。翌14年4月12日付でも「桜を見る会にご出席の皆様と。地元でずっと応援して下さっている後援者の皆さんのお陰で主人の今があります」とつづっていた。

「森友問題しかり、夫を窮地に追いやるのが趣味なのか…」とは永田町関係者。

 実際、野党議員は「昭恵夫人はスキーイベントで名刺交換した男性に15年から5回連続で招待状を送っていました。農業仲間は昭恵夫人と酒を飲んだ写真をSNSに投稿していた。酒造仲間も同様です。国会で安倍首相に対し、昭恵夫人の“招待枠”について厳しく追及します」と明かす。

 このほか、自民党の“失言王”二階俊博幹事長(80)は12日の会見で、桜を見る会に後援会員を招待する是非に関し「議員が選挙区の皆さんに配慮するのは当然だ」と述べた。開き直りのような発言は野党への“燃料投下”でしかなく、ネット上では「二階からガソリン」「火に油」と書き込みが殺到。

 ネット問題に詳しい自民党議員は「桜を見る会には自民党議員の推薦枠があります。芸能人やスポーツ選手と会えるし、後援会を招待していた。しかし野党の追及がすごくて、自身のホームページやブログから関連画像を削除しています。党幹部の二階氏がネット利用者を刺激したのは大失敗です。火消しには時間がかかる」と話す。

 自民党の三原じゅん子参院議員(55)はテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」で、三原氏の母、叔母が同会に出席したことに対して同局の玉川徹氏らが「どういう功労があるんだろう」と話したことに激怒。ツイッターで「許し難い侮辱発言」とつぶやいたが、ネット上では「まずは母親の功績を説明してください」との意見が相次いでいる。

 参加した芸能人にも批判の目が向けられている。例年「なぜこの人が…」と話題になることも多いが、フリーアナウンサーの高橋真麻(38)とお笑いコンビ「ハリセンボン」近藤春菜(36)は12日放送の日本テレビ系「スッキリ」で、過去の参加を明かした上で、ともに「なんで呼ばれたんだろう…」。ネット上は「じゃあ、行くなよ!」の大合唱だ。

 そんな中、にわかに株を上げているのが、千原ジュニア(45)。過去に招待を辞退しているが、その理由が「知らんオッサンと(桜を)見たないわ」だった。お笑いコンビ「おぎやはぎ」も過去の辞退理由について「小木(博明)がそういうの好きじゃない」「政治家ダメだから。NGだから」と一線を引いていることを明かしている。