「モーニング娘。」の元メンバーで、7月の参院選に立憲民主党から比例代表で出馬して落選した市井紗耶香(35)が、芸能活動を再開させることが本紙の取材で分かった。落選後、初めてメディアのインタビューに応じた本人が明かした。さらに政界再挑戦の可能性や、参院選中に懐疑的な声も上がった自身のタトゥーの意図も初激白した――。

 再婚した一般男性とともに15歳長女、12歳次女、6歳長男、2歳三女の4人の子供を育てている市井は、選挙が終わってから沈黙を保っていたが、ついに本紙の取材に口を開いた。

「参院選前にやらせていただいたタレント活動と同じように、まず子供たちを最優先に、主人のサポートを借りながらやっていきたいです」と意気込んだ。

 すでに具体的な話も進んでおり、モー娘時代の後輩でタレントの加護亜依が8月まで所属していた芸能事務所アルカンシェルと、市井の個人事務所エスダブルが11月、業務提携する予定だ。テレビ出演などと同時に、講演会にも力を入れていくという。

 市井と同時期を駆け抜けたモー娘OGたちも次々と結婚、ママになっている。

「同期の矢口(真里)も今年8月に出産したばかり。OGの子供たちの人数は、今、W杯で盛り上がっているラグビーのチーム(15人)がつくれそうですね」とアイドル時代からの時の流れに感慨深げな表情を浮かべた。

 芸能活動を再開する一方で、将来的な政界への再挑戦には含みを持たせた。

「親、子それぞれが抱える悩みは国会に届いていません。それは放っておきたくない。もう一度、政界にチャレンジするか、違った形でアクションしていくかは分からないけど、その気持ちは捨てたくないです」

 先の参院選では、落選後に会見をしなかったため批判も寄せられた。

「当初はホテルで会見を行う予定でした。(投開票日の)夜中の段階で(当選が)難しそうとなり、(党から)『自宅待機でお願いします』と。どんな結果であれ、行うべきだったと思っています」と反省した。

 選挙期間中には自身の耳の後ろにあるタトゥーに懐疑的な声もあった。

「選挙戦中も後ろから撮影してくるカメラマンさんはいました。それも覚悟の上での出馬でした」

 タトゥーの意図を聞くと「2015年に亡くなった私の母を思って彫りました」と告白。「タトゥーには複雑な心境を覚える人もいます。それも優しく包み込める世の中だったらいいなぁとは思います」と続けた。

 モー娘時代はその落ち着いた独特の雰囲気から、とんねるずの石橋貴明に「母さん」のあだ名をつけられた市井にとって、61歳で大動脈解離のため急死した母は大きな存在だったという。

「母はアイドルになってテレビに出たかったみたいです。でも、その夢はかなわなくて。私がテレビに出ているのを誇りに思ってくれました」

 市井が小学3年生のころに離婚した母。女手ひとつで育てられた。

「飲めないお酒を飲みながらスナックでアルバイトしたり。苦労をかけました」

 4児の母になった市井には「ママタレ」の肩書もいいが、今でも「母さん」のあだ名のほうが似合うかもしれない。

「落選は残念でしたが、世の中を良くしていきたいと立候補して良かったと思います。この経験をどう生かすかは自分次第」と力を込めた。

 ちなみに今は芸能活動の本格再開前のため“無職”に近い。生活は大丈夫か確認すると「アハハハ。生活面の心配は私だけじゃありませんから」と笑い飛ばした。