歌の力が国を結ぶか!?韓国が日本と結んでいる軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を22日に破棄することを発表するなど、日韓関係は過去最悪となっている中、令和初となるNHK紅白歌合戦が頭を抱えている。これといったヒット曲がない今年、若者たちを意識した番組作りをするNHKが注目しているのは韓流グループだ。日本製品の不買運動や旅行自粛などと民間レベルでの対立ムードが高まるが、日韓の“雪解け”を「歌をきっかけに」と期待され、NHKから熱視線を送られるグループがある。それは――。 

 一昨年は引退を表明した安室奈美恵が出場。昨年は「Lemon」が大ヒットした米津玄師の初出場と、社会現象になった「U.S.A.」で「DA PUMP」が16年ぶりに復帰したことが紅白を盛り上げた。

 しかし今年は、歌手としても活躍する俳優・菅田将暉の初出場が噂されるが、目玉といわれると厳しいものがある。

「今年は、米津が昨年書き下ろし、小学生5人組ユニット・Foorinが歌う『パプリカ』が子供たちの間で大ブームに。さながら去年の『U.S.A.』のような現象にもなっている。しかし、昨年の紅白にFoorinがゲストで出場し『パプリカ』を披露してしまった。NHKの担当者は『今年、出場の方がよかったかな…』と苦笑いしていた」(音楽関係者)

 そんな不作の音楽界に頭を抱えるNHKが、毎年のように目玉として検討するのが“韓流”だ。昨年も韓流男性グループ「防弾少年団(BTS)」の出場に動いたNHKだが、メンバーが過去に原爆をやゆするようなTシャツを着用していたことを問題視。

 さらに追い打ちをかけるように徴用工問題で日韓関係が悪化し、結局は出場しなかった。

 今年に入っても日韓関係は悪化の一途だ。徴用工問題に加え、レーダー照射問題、半導体材料の対韓輸出規制強化をめぐり、韓国で日本製品の不買運動が展開された。

 韓国の文在寅大統領も過激な反日発言を連発。そのうえ、22日には、韓国大統領府が日本と結んでいるGSOMIAを終了させることを決めたと発表するなど、もはや日韓関係は過去最悪の状況だ。

 紅白は受信料で成り立つNHKの歌番組だけに、こんな状況で韓流グループの出場は絶望的とも思われるが、それでも紅白の現場は“あるグループ”の出場を諦めていないという。

「それはHKT48の宮脇咲良らが所属する12人組の日韓ガールズグループ『IZ*ONE』(アイズワン)です。昨年も日本人メンバーが所属する韓流ガールズグループ『TWICE』が出場したが、視聴者の反発も少なかった。今年の活躍はIZ*ONEの方が上。宮脇らは“日本凱旋”の意味もあり、出場が期待されている」(前同)

 IZ*ONEは、韓国のアイドルオーディション番組で勝ち抜いた日韓12人のメンバーで昨年10月に結成。宮脇とHKT48・矢吹奈子(18)、AKB48・本田仁美(17)が参加。この日韓融合グループは、今年6月から韓国、香港、台湾、タイを回り、3万1000人を動員。現在は初の日本ツアーの真っ最中。21日に千葉・幕張メッセで行われた初日公演には、1万4000人が詰め掛けた。

 日本でのデビューシングル、セカンドシングルはともに、発売初週で20万枚超の売り上げ。海外アーティストによる日本デビューシングルから2作連続の初週の20万枚超えは、TWICE以来、2組目の快挙だ。

「現在、若い女性を中心に『第3次韓流ブーム』が起きている。女子中高生を中心に人気が爆発したIZ*ONEは、ライブなどの女子比率が7割近くあり、ブームをけん引する存在ともいえる。国民感情までが対立ムードにある中で、両国のメンバーが一緒に歌う姿を見せられれば、その意味は大きい。雪解けのきっかけとして期待できるだろう」(同)

 若い視聴者を増やしたいと言い続けるNHKにとっても、なんとか実現させたいところだ。

 また紅白出場には、NHKへの貢献度も重要と言われるが「7月のNHKの看板歌番組『うたコン』に出演済み。9月発売のサードシングルがヒットすれば、有力候補になるでしょうね」(NHK関係者)。

 宮脇らが両国の“雪解け”の鍵を握る存在になるかもしれない。