京都・宇治市にあるアニメ制作会社「京都アニメーション」のスタジオで18日午前、41歳の男がガソリンとみられる液体をまいたうえで放火し、33人が死亡する大惨事が起きた。

 スタジオにいた従業員の半数近くが犠牲になるという最悪の事態となった放火事件。米国では日本アニメを専門に配給する米企業が18日、ツイッターで「私たちの友人である京アニを助けて!」と呼びかけ、クラウドファンディングを開始した。

 テキサス州ヒューストンに本社を置く「センタイ・フィルムワークス」は放火事件の一報を受け、「私たちの心は京都アニメーションと共にあります」とツイート。米クラウドファンディングサイト大手「GoFundMe」は被害者救済募金を設置した。当初の目標額50万ドル(約5400万円)は半日ほどで達成し、100万ドル(約1億800万円)も突破。世界中のアニメファンに呼びかけている。募金した人たちの多くは犠牲者への追悼文とともに、世界を代表するアニメーションスタジオの一つである京アニが復興することを願うメッセージが送られた。

 また参院選(21日投開票)で自民党から比例代表で出馬している山田太郎氏(52)は18日、放火事件を受け、東京・秋葉原で予定していた街頭演説会など選挙活動を中止した。

 山田氏は表現の自由を訴え、マンガ、アニメ、ゲームオタクから絶大な支持を得ている。山田氏は「京アニ火災の報道を知って、一切の選挙活動を中止しました。京アニには何度か訪問したことがあって知り合いがいます。みなさんの安否が心配で選挙戦ができる心境ではありません。大変ショックを受けています」と肩を落とした。

 犯人に対しては「怒り心頭です。京アニは日本最先端のアニメ制作会社として世界的に知られています。ハードワークが普通なアニメ会社の中でも、職場環境がとてもいいんです。日本アニメは世界に誇れる産業です。今後、他のアニメ会社などに悪影響が出るかもしれません。海外のアニメファンがクラウドファンディングで募金を募る動きは素晴らしい。だが損失規模は現時点で試算できません」と声を震わせた。