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アニメ「僕だけがいない街」監督が語る土屋太凰、満島真之介を声優起用した理由


アニメの主人公の声を演じた土屋太凰(右)と満島真之介

 7日からフジテレビ“ノイタミナ”(深夜アニメ)枠でスタートする「僕だけがいない街」の伊藤智彦監督(37)が東スポWebのインタビューに応じた。

 原作は「マンガ大賞」や「このマンガがすごい!」に2014年から2年連続ランクインした人気作で、主人公が“リバイバル”と呼ばれるタイムスリップにより現在と過去を行き来しながら、連続誘拐殺人事件の犠牲となった同級生を救おうと奔走するミステリー。アニメ「銀の匙 Silver Spoon」の監督をやっている時に、スタッフに勧められた伊藤監督は同作のファンになり、自ら企画を持ち込みアニメ化することになった。

「自分でやりたいと言った作品なので無責任にはできないですね。あまりこういうサスペンス系で、なおかつ懐かしい感じのする作品をやる機会がない。絵的に地味になりがちな作品なので、そこをいかに防ぐか苦心しています」

 アニメ版では主人公・藤沼悟の小学生時代の声を女優・土屋太凰(20)、29歳時の声を俳優・満島真之介(26)が演じることでも話題だ。

 テレビアニメではこれまで「魔法遣いに大切なこと」の宮崎あおい、「UN—GO」勝地涼などが主役の声を務めたケースは何度かあるが、土屋は昨年放送のNHK連続テレビ小説「まれ」でヒロインを務めた最も旬な女優。満島も飛躍が確実視される俳優。つい、マーケティングなど制作サイド以外からの配役かとうがって見がちだが、伊藤監督からの発案だった。

「オーディションで声優さんたちの声をテープで聴いたけれどイマイチぴんとこなかった。少年ジャンプっぽいというか、みんなかっこよすぎた。そこで今回は実写系の役者さんからも探しますかとプロデューサーたちと話をしたところ、関係者から土屋さん側が声優に興味を持っているという話が出てきて、実際に声を聞かせてもらうとこれが良かった。そもそも太凰ちゃんは雰囲気が昭和っぽくていい意味で今っぽくない。声を聞くとあまり高くなくて、朴訥としている。あと、こいついい子だなと思わせる声ですけど、それが押しつけとして、攻めてこないところが良かった」

 土屋の起用が決まったことで、29歳時の声の担当も声優ではなく役者という流れになった。

「キャスティングが難航する中、音響制作・今西さんの粘り強いリサーチで満島真之介という人はどうでしょうか、という提案がありました。彼はユニクロ『エアリズム』などCMナレーションの仕事を何度もやっているので、声だけの仕事に偏見もない。声も朴訥としていながらも意外と耳に残る。埋もれない声なんです。キラキラした出自でない雑草感も良かった」

 役者としては十分な経験を積んでいる土屋、満島だが声優としては新人。アフレコの現場では工夫もしている。

「実写系の方のアフレコは大概一人一人別の時間に収録することが多いのですが、今回はなるべくキャスト全員で一緒に録らせてほしいと要望を出しています。普通のアニメ同様、毎週決まった曜日に集まってアフレコをしています。なるべく他の方たちと掛け合いで芝居をしてもらいたかったからです。何かあれば(藤沼佐知子役の)高山みなみさんが『こうしたらいいよ』って助言してくれています。(土屋の演じる役は)子供だけど、精神は大人なので。大人の悟だったらどのような感じになるか満島さんに言ってもらってから太凰ちゃんに演じてもらったりしています」

 高山以外にはオーディションで選んだ若手声優が多く、満島は一緒にキャストとお酒を飲みに行くなど現場の雰囲気はいいという。

 役者の声優起用について「役者さんでしか出せないものがある」と語る伊藤監督。劇場アニメではジブリ作品や伊藤監督の師匠筋に当たる細田守監督の作品も多いが、一方でアニメや声優ファンからは反発の声が上がるのが常となっている。

「でもファンが受け入れてくれるハードルは意外と高くないと思っています。(役者であっても)意外といけるじゃんと思わせれば勝ちなんです。『UN—GO』の時の勝地さんもそうですけど役者さんですから、芝居はできる。あとはアニメの絵とマッチするか。あと、単純に慣れですね。回を重ねるほど、声だけの芝居に慣れてきているのが分かる。今回の作品では役者の成長と主人公の成長が重なるんじゃないかと思います」

 伊藤監督は「僕だけがいない街」以外にももう一つ大きな仕事に挑んでいる。昨年10月に発表された映画「劇場版ソードアート・オンライン(SAO)」だ。川原礫氏がストーリーを書き下ろす完全新作で映画初監督を務める。

「次のシリーズをどうするかの話になった中で、原作を映像化するにしても時間が必要となり、ではオリジナルのエピソードで映画を作ろうとなりました」

 以前から「映画監督」に興味を持っていた伊藤監督。テレビアニメとの差を意識しながら作品作りに臨んでいる。

「いかにテレビっぽい感じを消そうかと苦心しています。今、テレビシリーズが終わった後に劇場でかけるアニメって割りとあるが、作り方も予算もテレビと同じものが多い。せっかくの機会なので、今回の映画ではテレビシリーズよりもう少しリッチな絵作りで、映画とは何ぞやというものを作りたい」

 現在、シナリオ作業は終わっており、絵コンテを制作中。まだベールに包まれた作品だが、最後にヒントを教えてくれた。

「何をいってもネタバレになるんですけど新キャラは出ます。原作でもちょろっと触れられている人物なんですけどね。内容面だと『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』的な何かがヒントになりますかね…映画のスケール感としても。ファンに向けた映画ではあるんですけど、新規のファンも入ってきやすい作品を作ろうと努力しています。目標は笑って泣けるデートムービーですね(笑い)」

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