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現役アニメ監督・伊藤智彦氏が語る2013年アニメ業界3大ニュース


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 気がつけばもう年末。声優の結婚ラッシュに「進撃の巨人」のヒットなど今年もいろいろな話題を提供してくれたアニメ業界。そこで今年、東スポWebにたびたび登場してもらった「銀の匙 Silver Spoon」、そして大晦日に放送される「ソードアート・オンライン Extra Edition」(31日22時からTOKYO MX、BS11、ニコニコ動画)の監督・伊藤智彦氏に今年の業界3大ニュースを挙げてもらった。(WEB担当・徳重辰典)

 

 

スタジオジブリ宮崎駿、高畑勲「最後」の長編映画

 

今年長編映画製作からの引退を発表した宮崎駿監督

 伊藤氏が2013年のアニメ界で最も大きなニュースとして挙げたのがスタジオジブリの宮崎駿、高畑勲両名の監督作品「風立ちぬ」「かぐや姫の物語」が発表だ。

 

 

伊藤:おそらく両名の最後になるであろう劇場長編の公開ですね。「となりのトトロ」「火垂るの墓」から20年以上を経て、同一年上映で有終の美を迎えたのかなと思います。

 

ーー「風立ちぬ」については当サイトで以前語っていただきましたが(【ヤマカン×中村×伊藤「風立ちぬ」鼎談】)、「かぐや姫の物語」についての評価はどうですか?

 

伊藤:業界関係者は技術力の高さに「ああ、こんなものを作るんだ!」とこぞってため息をつく作品ですね。逆に一般の方がどう見られているのか気になります。あと「アルプスの少女ハイジ」や「赤毛のアン」から変わっていない高畑さんの血も涙もない演出ですね。

 

ーー血も涙もない。どういう演出ですか

 

伊藤:高畑さんはバカな子を茶化さずにバカにするんです。例えば「赤毛のアン」。親友のダイアナは少し頭の悪い設定ですけど、成長するにつれ賢いアンとの間でバランスが悪くなる様が出てくるんです。それを高畑さんは客観的に描くので、ある意味残酷なんです。今回もあまり思い入れをさせすぎず、昔話の「竹取物語」の行間をキャラクターの感情などで埋めてはいるんですけど、とてもドライ。宮崎さんが「この映画を見て泣くやつは素人だよ」と言ったそうですけど、それは高畑さんの人となりを知っていて、本人はもっと残酷なことを考えていると思うからの発言じゃないですかね。

 

ーーなるほど。「風立ちぬ」は大絶賛でしたけど、「かぐや姫の物語」はどうですか

 

伊藤:ビビットな作品ではなかったですけど、鑑賞して「へへー」というものですね。ハイジとかアンでやったことと基本的な部分を変えていないので、大作として扱うとちょっと違うんでないかとも思います。製作費が50億円かかっていると見るとあれですけど、ミニシアターでやっていたら「アメリ」みたいな感じだったんじゃないですかね。日本でこんなキッチュな作品が出てきたぜ!と。

 

ーー先ほど高畑さんもこれで最後の作品になると言っていましたが

 

伊藤:高畑さんは最後に平家物語をやりたいといってますが、かぐや姫で8年だから、20年くらいかかるんじゃないですかね。

 

ーースタジオジブリは今後どうなるでしょう。来夏には新作の「思い出のマーニー」(米林宏昌監督)も公開されます

 

伊藤:「夢と狂気と王国」(今年公開されたスタジオジブリのドキュメンタリー映画)は見ましたか? (宮崎)吾郎さんが川上さん(量生=ドワンゴ会長でありスタジオジブリにも所属)と喧嘩腰やりあうとか。自由勝手にやっている宮崎、高畑両名と、スタジオの将来に関して責任を感じているその下の世代という対比が見えて面白かったです。ジブリ自体が宮崎さんの作品が好きで、その作品の歯車になりたい人がほぼほぼだと思うんですよ。その思いに疑問を持った人は出て行く。監督や自分のキャラデザインをやりたいと思った人は吉田健一さんや笹木信作さんのように外に出て行くと思います。

 

 

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