AKB48の56枚目のシングル「サステナブル」(9月18日発売)のミュージックビデオ(MV)が21日、解禁された。

 前作「ジワるDAYS」から半年ぶりとなる新曲のMVのテーマは、原点回帰だ。2006年のデビューから13年、平成アイドル戦国時代を象徴する国民的アイドルにまで成長したAKB48。令和初作品はその歩んできた道筋を振り返る内容になっている。

 MVを手掛けたのは「大声ダイヤモンド」「言い訳Maybe」など多くのAKB楽曲のMVを撮影してきた高橋栄樹監督。作曲を担当した井上ヨシマサ氏は「涙サプライズ!」や「Everyday、カチューシャ」など、こちらも多数の表題曲を手掛けてきた。また、振り付けは今も代表曲としてパフォーマンスする機会の多い「RIVER」「ポニーテールとシュシュ」などを手掛けた振付師の牧野アンナ氏。レジェンド3人がタッグを組んだ形だ。

 7月初旬に行われた撮影は、初の北海道オールロケ。ダンスシーンでは、ドローンで雄大な大自然の中で躍動するメンバーが空撮されている。

 ドラマシーンは、06年のデビューから13年にわたるグループの歴史がちりばめられ、デビュー(06年)、大ブレーク前夜(09年)、恋チュンブーム(13年)、変革の年(18年)、現在(19年)、そして未来の28年と6つの年代が描かれる。

 過去の作品をほうふつとさせる絵作りなど、原点に立ち返ると同時に、新たなAKB48を期待させる内容に仕上がっている。

 見どころは、18年だ。メンバーを乗せて車を運転している柏木由紀(28)は4年前に免許を取得。それ以来、公演などで一度も運転していないことをネタにしてきたが、この大切なMVで“初運転”。ハンドルを持つ固まった腕からは緊張がうかがい知れ、同乗するメンバーたちもドキドキのシーンだったようだ。

 初めてセンターを務める矢作萌夏(17)は「激エモな内容が詰まったMVです。このMVを通してAKB48の歴史を皆さんに思い出していただいて『あっエモいなぁー』って思っていただけたら、うれしいです」とコメントを寄せた。

 矢作はドラマシーンではデビューシングル「会いたかった」が発売された06年に登場。「画角やシチュエーションなども『会いたかった』に寄せていて、撮影してくださるスタッフさん側でも『前田さんを意識して撮っているんだろうなぁ』と思いましたし、私自身も意識してしまいました」と不動のセンターと呼ばれた前田敦子を感じたようだ。

 今後のグループを担う逸材と注目され、重圧もかかる立場だが、矢作は「センターに立たせていただきますが、まだまだ未熟な私なので、このシングルでの活動を通して成長できればと思います」と謙虚に語った。