アイドルグループ「SKE48」の親会社「KeyHolder」(JASDAQ・証券コード4712)が株式市場で注目の的になっている。5日、株価が急騰し全銘柄中トップの値上がり率を記録したのだ。

 KeyHolderの株価は4日に年初来安値の110円で引けた。翌5日は111円で寄り付き、前場は年初来安値近辺をウロウロしていたが、後場に入ってから突如、買い注文が殺到。一時は年初来高値となる156円まで上昇し、終値は147円となった。前日比37円高で値上がり率は実に33・64%。わずか1日でKeyHolder株の資産価値は3割以上も上昇したことになる。

 株式市場を驚かせた5日の急騰劇だが、不思議なのが好決算や新規事業の発表といった株価上昇につながる材料が全くない中で、株価だけが大幅にアップしたことだ。それだけに兜町かいわいや証券関係者の間では「ネット上で有名な某投資家が、KeyHolderを買いポジションに変更した影響ではないか」「AKB総選挙がなくなったことで、行き場を失ったSKEファンの総選挙用資金が流入したのでは」といった臆測や噂が乱れ飛んでいる。

 KeyHolderは3月1日に芸能プロダクション「AKS」から30億円でSKE48を買収。株主優待としてSKEやAKB、NMBなど48グループが参加する特別ライブイベント企画「48グループ祭り(仮)」への招待券を贈呈することでも話題になった。また乃木坂46の公式アプリゲーム「乃木恋」を制作・配信した広告代理店「allfuz(オルファス)」を4月1日に完全子会社化し、連結子会社「FA Project」が進めるカラーコンタクト事業のブランドアイコンに、元乃木坂46のエース・西野七瀬(24)を起用するなど乃木坂46と関連した事業展開も進めている。

「企業のファンダメンタルズが上向いているというはっきりとした裏付けがない中で、値動きだけに反応して個人投資家が飛び乗るのは危険」(大手証券関係者)という指摘もあるKeyHolder株だが、SKE&乃木坂関連銘柄としてアイドルファンの間でも話題となっている。果たして週明けの株価はどうなるのか? 市場で大きな注目を集めそうだ。