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プロフィール
渡辺学
1986年入社。ゴルフ担当を経て89年からテニス、ラグビー、アメリカンフットボール、アマチュアレスリング、陸上、水泳、サッカーなどの取材に携わった。五輪は夏季2回、冬季3回を現地取材。2001年に運動部デスク、06年から文化部で社会面デスクを担当後、専門委員などを経て現在法務広報室長。早大卒。
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実名表彰「ブラック企業大賞」で“訴訟上等”の声も・後編
2013年07月02日

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(前編から続く)

 実名を挙げての「ブラック企業大賞」。制定する同大賞実行委員会は、アジア太平洋資料センター・内田聖子事務局長、佐々木亮弁護士、首都圏青年ユニオン青年非正規労働センター・河添誠事務局長、レイバーネット日本・松元千枝氏、前編で触れたDVD「ブラック企業にご用心!」を監督した映画監督土屋トカチ氏ら、市民運動関係者やジャーナリスト、労組・NPO関係者で構成される。

 

 前回はノミネート企業に対してお知らせと大賞発表への招待状を持参もしくは郵送で届けたが、企業側には黙殺され、SHOP99から往復はがきで「欠席」の連絡が来たのが唯一の反応だったという。大賞の東電には賞状とトロフィーも贈り、こちらは返送されることはなかった。

 

 企業側にとっては、大手メディアが「ブラック企業大賞」を取り上げないから、ヘタに反発して寝た子を起こすよりは無視が得策、といった判断があるのかもしれない。ただ、1年前と比べて「ブラック企業」は国会でも安倍晋三首相に質問がぶつけられ、週刊誌も相次いで報じるなど、この言葉を取り巻く状況は大きく変わり、市民権を得たと言っていい。

 

 暴力団のフロント企業を連想しがちな「ブラック企業」。ネット発の2ちゃんねる用語に類するもので、4~5年ほど前に生まれたという。「かつての派遣村みたいなメディアの注目があるのかなと思う。若者が自分たちで“おかしいな”と気づいてネットで表現して、メディアが取り上げた。でも、ろくでもない企業の名前がテレビに出てこない」と土屋氏は4月のシンポジウムで若者らの発信力を強調した。

 

 シンポジウムには、今回の実行委員であり、かつて流行語となった「ネットカフェ難民」の存在をドキュメンタリー番組で世に問うた水島宏明法政大教授も出席し、「身近な問題としてとらえにくいことを、わかりやすい言葉を使うことで、実態を見せやすくする。私も『ネットカフェ難民』で(貧困の問題を)見せやすくしようとした」とネーミングの妙を語った。

 

 同じく出席者の松元氏は「日本で初めてのことで(前回は)ちょっと話題になって、批判もされた。『労働者が迫害されている問題を面白おかしくやっていいのか』と。でも私たち(実行委の)メンバーは、日々の労働現場で権利を侵害されている当事者と接して声を聞いている。その声がなかなか企業側に届かない。趣向を変えて『ブラック企業大賞』として取り上げて社会一般に広めていこうと。決してフザけてやっているわけではない」と訴えた。

 

 以下のような話もシンポジウムではあった。「大学でブラック企業の話をすると、学生がとても関心を持つ。『どうやったら見分けられるのか』とか」(実行委員でジャーナリストの竹信三恵子・和光大教授)。見分けるには実例が一番だが、「マスメディアがなかなか実名で報じてくれない」(内田氏)もどかしさもある。その背景にあるのが企業側からの訴訟リスク。実名がクローズアップされないと企業側は事態の改善に本気にならない恐れもある。メディアでなく、「ブラック企業大賞」側の一部からは「できれば訴えてきてほしいぐらいだ」と“訴訟上等”の声も上がった。

 

 過去には「ネットカフェ難民」について、「難民」が差別語にあたるとしてネットカフェの業界団体が厚労省などに苦情を述べたことがある。「ブラック企業」批判には有名経営者も神経をとがらせている様子。

 

 このあたりについて、6月27日のノミネート発表会見後、実行委員の1人である河添氏に尋ねると「訴えられるよりは、そうでないに越したことはない。ただ、社会的にこういう問題があることを明らかにしていくことに意味がある。訴えられることが絶対にないかというと、わからない。リスクはあっても活動はやっていく」という答えが返ってきた。

 

 「ブラック」の認定は、一般従業員の気持ちを傷つける可能性もある。河添氏は「その方々に個別に話を聞かないとわからないけれど、自分の会社を何とかしてほしいという匿名の訴えがあり、その方は苦しんでいる。企業イメージという点では、そこで働いている人には複雑な思いをされる方もいるかもしれない。ただ、大きな意味では(ひどい労働条件を)変えてほしいと思っているのでは」。ブラック企業大賞のノミネートに、“よくやった”的な声も、当該企業の従業員とみられる匿名の人たちから少なからず寄せられているという。

 

 4日公示の参院選でも、ブラック企業は「一つの大きな争点になっている」と河添氏は各政党の動きを注視する姿勢を示した。(終わり)



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