スポーツから社会ネタまで、中古・新品まざりあった話題のフリーマーケット
プロフィール
渡辺学
1986年入社。ゴルフ担当を経て89年からテニス、ラグビー、アメリカンフットボール、アマチュアレスリング、陸上、水泳、サッカーなどの取材に携わった。五輪は夏季2回、冬季3回を現地取材。2001年に運動部デスク、06年から文化部で社会面デスクを担当後、専門委員などを経て現在法務広報室長。早大卒。
最新記事
カレンダー
2017年6月
« 5月    
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  

Archives

前国会議員に提訴された一市民が勝訴⑥=完
2014年09月16日

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

(⑤より続く)

 

 【8月11日付】裁判所は記事において①森氏が、小沢無罪判決前までは非公式に最高裁を追及していたが、判決直前に追及先を検察庁に変え②X氏が森氏関与のもとで捏造報告書を入手し、森氏の指示を受けて八木氏に届け③八木氏が騒ぐのと機を同じくして騒ぎ始め④同報告書の存在が世に広まり⑤検察審査会の審査員は同報告書に誘導されて小沢起訴議決を行ったとの認識が世論に広まった――ということが事実として摘示されているとした。それを踏まえて⑥森氏が同報告書を流出させて最高裁の犯罪にふたをしたなどとする志岐氏の評価ないしは意見が記載されていると読み取った。

 

 この記事には、「森氏のX氏への指示は国民をだますためのものだったという事実が摘示されている」との森氏側主張に対し、判決は、森氏が追及先を変えた経緯および森氏に国民をだます意図があったことをうかがわせる記述が記事中にはないとして、森氏側の言い分を採用しなかった。同様に、捏造報告書流出に関連した記述が「国会議員の職権乱用、国家公務員法、刑事訴訟法、著作権法などに違反する可能性のある手段を使ってまで、小沢無罪判決を得ようとした」として森氏の社会的評価を低下させるとの主張についても、それらをうかがわせる記述が文中にないと指摘した。

 

 判決はさらに、志岐氏の記述が上述の各法律に違反した可能性があるとの印象を与えるものであるという主張を、結審した第4回口頭弁論までに行わなかったことも加味して、森氏の「社会的評価が低下したと認めることはできない」との判断を示した。

 

 【8月17日付】裁判所が記事から読み取ったのは、森氏について①小沢無罪判決前までは最高裁を追及し②資料を提供した志岐氏に激励や感謝のメールを送ったが③判決直前に意見を変え、捏造報告書の存在だけで検察審査会の審査員が誘導されたと決めつけ④最高裁の疑惑にふたをして、「審査員はいる」と言った――という事実の摘示。そして⑤検察による同報告書誘導説を広め、最高裁の犯罪を消そうとしているように見えたとの志岐氏の評価ないしは意見。

 

 これについても「森氏が荒唐無稽なストーリーに沿って最高裁を追及」との印象を与えるとの主張に対し、裁判所の見解は7月29日付エントリーに対する判断と同様だとして受け入れず。「無罪判決を得るために支持者を裏切るような行動をとったとの印象を与える」との原告側訴えも認めなかった。この記事が7月29日付を踏まえたものとして読んでも、「最高裁に対する追及をやめることが小沢無罪判決に結びつくということは容易に想定される事態ではなく、無罪判決を得るためにあえて意見の変更を行ったという印象を与えるものではない」。つまるところ、8月17日付も森氏の社会的評価を低下させるものではないとして、計3本の記事すべてについて、名誉毀損にはならないとの結論を下した。

 

 X             X             X

 

 「訴状を見た時に、森さんはかなり思い込みの激しい読み方をされていると思った。志岐さんの書かれたものを、自分にとって一番不利なように読んでいる。裁判所はそういう見解をとらなかった。かなり無理な主張をしたと判断したのではないか」

 

 7月18日の判決直後に開かれた報告集会で、志岐氏代理人の山下幸夫弁護士はそう語った。志岐氏は「X氏が捏造報告書をロシアのサーバーに流したというのは、ほかの人からも私的なメールをもらっている。X氏の話だけだったら、全部は信じない」と振り返る。森氏とX氏の距離が近いことも確信していた。一方、志岐氏によると、森氏側が裁判で出してくると聞いていたX氏の陳述書は提出されず。そして4回の弁論で結審し、判決に対する控訴もなかった。

 

  森氏は判決前日付のツイッターで、代理人弁護士の説明文をリンクしている。「志岐武彦氏との訴訟について」と題された長文は、「SLAPP訴訟(恫喝目的の高額請求訴訟)であるかのような言いがかりが行われてきましたので、そうではないと言うことを簡単にご説明させて頂きたく存じます」として提訴の趣旨をつづっている。

 

 この文章では、小沢強制起訴についての架空議決説や森氏の姿勢に関して、志岐氏には「軽信」「盲信」があったと主張。「まずは訴訟外で撤回を求めました。しかし、これを聞き入れる様子はなかったので」提訴に至ったとした。「ネット言論にはネット言論で対抗」という世間一般の見方がある可能性に対しては、森氏に関する「『特定の事実の有無について見解の相違がある当事者間で証拠を出し合い、中立的な第三者がそれを見てその事実の有無を判断する』という作業は、ネット向きではありません」と答えた。社会的評価に関しては「これ(志岐氏の記事)を信じて、森氏を憎みまた軽蔑するに至る人々が少なからずおられた」という。

 

  この文章は判決を受けて書かれたものではない。本稿の初回に書いたように、志岐氏は森氏からの直接の抗議や警告はなかったとしている。判決文には森氏側がその主張を十分に尽くさなかったとみている指摘(5回目参照)もあるのだが、裁判に対する同氏側の見解がうかがえる記述がみられる。

 

 「名誉毀損訴訟を提起すれば、(志岐氏ブログに示された)各事実が真実であると志岐氏が信じるに至った証拠が法廷に提出されるのではないか、(中略)森氏側の提示するこのような資料を合わせてみてもらえれば、そのような事実があったと読み取ることはできないはずだ等の建設的な話ができるのではないかとの期待もありました。しかし、そのような期待は、志岐氏側の訴訟戦略によって裏切られました。志岐氏は、上記のような事実摘示を行ったこと自体否定してきたのです」

 

 志岐氏が記事は「論評」と主張したことで、「そのような事実から立証することから逃げました」と森氏側は判断し、裁判に意義を見出せなかったとの意向も読み取れる。

 

 以上のように森氏側は志岐氏側を批判した。ただ、判決文は記事のすべてが「論評」とは解釈しておらず、「事実を摘示したもの」とそれを踏まえた「評価ないしは意見」であるとの判断を示している。その上で森氏側の主張を退けたということは、事実摘示の部分に真実性または真実相当性を認めたということではないか。志岐氏側が巧みな訴訟戦略で「逃げた」と考えるのなら、「真実性の証明」を尽くさせなかった訴訟指揮はどうだったのかという話にもなるが、この説明文には裁判所への批判はない。

 

 また、森氏に言われる「最高裁の疑惑にふた」に関しては、志岐氏に反論した2013年8月のブログで、その前年7月の参院決算委員会で、小沢起訴を議決した検察審査会について「11人の審査員がいたのかどうか」「本当にこの方たちいらっしゃったんでしょうか、最高裁」などと追及したことを示している。それとは別に、同年7月は同予算委でも検察審査会について取り上げた。これは小沢氏の一審判決後で、無罪確定前の段階だった。(終わり)



ネタになる!!
えー!?異議あり!!




東スポ動画
「ミス東スポ2017」グランプリ決定
注目コンテンツ
ビートたけし本紙客員編集長が審査委員長の独自の映画賞!

日本マット界の隆盛、発展を祈念し、東スポが制定したプロレス大賞です。

開催3場の全36レース(2場開催の場合は全24レース)の馬柱を完全掲載!